トランプ前大統領の集会で差別発言相次ぐ、共和党内からも批判噴出

ニューヨークでの集会で何が?

2024年米大統領選に向け、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領は10月27日、ニューヨークで支持者を集めた大規模な集会を開催しました。しかし、トランプ氏に先立ち登壇した支持者から、人種や民族を蔑視するような差別的な発言が相次ぎ、波紋が広がっています。

コメディアンによるプエルトリコ蔑視発言

集会でマイクを握ったコメディアン、トニー・ヒンチクリフ氏は、「海の真ん中に浮かぶゴミの島がある。プエルトリコと呼ばれていると思う」と発言。中南米系の移民を揶揄するとともに、カリブ海の米自治領プエルトリコを侮辱するような発言を行いました。

この発言に対し、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領の陣営は直ちに批判。ヒンチクリフ氏は自身のXアカウントで「ユーモアの欠片もない」と反論し、あくまでジョークだったと主張しました。

しかし、プエルトリコ系の有権者が多いフロリダ州選出の共和党議員からも「面白くないし、事実無根だ」と批判が噴出。共和党内からも非難の声が上がっています。

米ニューヨークで開かれたトランプ前大統領の集会で演説するトニー・ヒンチクリフ氏米ニューヨークで開かれたトランプ前大統領の集会で演説するトニー・ヒンチクリフ氏

元人気キャスターもハリス副大統領への中傷発言

さらに、集会では元人気キャスターのタッカー・カールソン氏も問題発言を行いました。カールソン氏は、ハリス副大統領を「サモア系、マレーシア系の知能指数が低い元検事」と中傷。実際には、ハリス副大統領はインド系の母とジャマイカ系の父の間に生まれた、アフリカ系アメリカ人です。

米ニューヨークで開かれたトランプ前大統領の集会で演説するタッカー・カールソン氏米ニューヨークで開かれたトランプ前大統領の集会で演説するタッカー・カールソン氏

トランプ陣営は火消しに躍起

一連の発言を受け、トランプ陣営は「トランプ氏の意見を反映したものではない」と釈明に追われています。しかし、差別的な発言が相次いだことで、トランプ氏自身の資質や支持層のあり方が改めて問われる事態となっています。