10月27日投開票の衆議院議員選挙では、与党・自民党が公示前の247議席から56議席減の191議席、公明党が32議席から8議席減の24議席と合わせて215議席に激減し、過半数の233議席に18議席も足りないという結果になった。
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一方の野党は、立憲民主党が50議席増の148議席となった。とくに国民民主党の躍進は目覚ましい。公示前の7議席の4倍の28議席を獲得し、そのうち比例代表が17議席を占める。
さらに政治担当記者がこう話す。
「国民民主党は本来ならば、31議席になるはずでした。ところが、同党の比例重複候補者が小選挙区で相次いで当選したため、比例名簿の候補が不足してしまったのです。その結果、比例代表の北関東ブロックでは、1議席を公明党、東海ブロックでは2議席を立憲民主党と自民党に譲ることになってしまいました」
27日の各テレビ局の開票特番では、各党の代表が登場し今後の政策などについて語った。特番の一つ『zero選挙2024』(日本テレビ系)でメインキャスターを務めたのは櫻井翔。同番組の月曜キャスターでお馴染みの櫻井だが、今回、彼の発言が“悪い意味”で注目を浴びてしまった。
野党各党の代表と中継をつないだ際、国民民主党の玉木雄一郎代表とのやり取りで、櫻井は玉木氏にこう質問を投げかけた。
「今、国民民主党がキャスティングボートを握っていて、最も注目されています。国民民主党が自民党につくのか、あるいは立憲民主党につくのかで、政権の形が大きく変わる可能性がありますけれども、現時点でどちらにつくというようなイメージはおありですか?」
これに対して、玉木氏は質問の内容には直接答えず、このように回答した。
「この12日間、『手取りを増やす経済政策』を愚直に訴えて、多くの支持、賛同をいただきました。私たちが思う以上にですね」
この間、櫻井は大きく2度ほど頷きながら話を聞いていた。しかし、玉木氏の次の話でその頷きはピタリと止まった。
「例えば『103万円の壁を上げてくれ』という学生さん、パートの皆さんの声をたくさん聞いてきましたし、就職氷河期世代で本当にもがき苦しんでいる方がいます。
そういう人たちに応える経済政策をしっかり出していくことが不可欠だし、特に私たちが提案している『103万の壁』。基礎控除、給与所得控除を上げていこう、ということを速やかにやらないと。せっかく時給が上がって、最低賃金が上がっても、結局103万円で抑えてしまっていますから、もう10月、11月でも働けない。あるいは(雇用する)店長さんも、もうそれ以降、年末調整に忙しいのに人が雇えない。本当に困ってるんです。
こういうことにしっかり寄り添う。そして、具体的に政策を実現する。そんな政治を実現していきたいと思います」
玉木氏の「103万円の壁」をめぐる主張の際、櫻井はそれまでのように大きく頷くことなく、時折、首を少しだけ傾げたりする仕草を見せた。さらに、目が泳ぐような瞬間も見受けられたのである。
前出の記者が続ける。
「国民民主党と玉木代表は、公約の一つとして『手取りを増やす経済政策を進めていきたい』と、つねづね語ってきました。そして、年収が103万円を超えると所得税が課税されるいわゆる『103万円の壁』は、最低賃金の上昇率に合わせて引き上げるべきだと何度も繰り返し主張してきていたんです。
しかし、櫻井さんは玉木氏が話す『103万円の壁』に対し、“きょとん”とした表情を見せたため、違和感を抱く視聴者が多かったのでしょう」
X上では、この場面の櫻井の様子について、こんな投稿が相次いでいる。
《衆議院選開票速報 国民民主党の玉木雄一郎が基礎控除(103万円)を引き上げる話ししてるけど、上級国民側の櫻井翔は良く理解してないかな?》
《櫻井翔、玉木代表が言うてる103万の壁とか理解してなさそう。そもそも興味無いんやろな》
《基礎控除上げる話も櫻井くんピンときてない感すごかったし…まぁ勉強されてるとはいえ就職氷河期とか扶養の壁とかと対極にあるような人だもんな》
《櫻井翔の顔絶対玉木さんの103万の壁基礎控除の話分かってないな》
櫻井といえば、旧ジャニーズ事務所の性加害問題の際に『news zero』(日本テレビ系)で“フレームアウト”するなど、キャスターとしての資質に疑問を投げかけられたこともある。
「櫻井さんはお父様が元総務事務次官の櫻井俊氏で、小学生のころから慶應義塾幼稚舎に通う“慶応ボーイ”。金銭に困ることはなかったでしょうから、基礎控除のことを気にしたことはないかもしれません。
ただ、今回の国民民主の躍進の要因は、『手取りを増やす』『基礎控除額を103万円から178万円に拡大』という主張を貫いたことにあったわけですから、キャスターとしてそれを把握しておくべきです。“政局話”に終始せず、政策面の議論も展開してほしかったですね」
キャスター業を始めて18年の櫻井。“zero”からとは言わなくとも、基礎の学び直しは必要かもしれない。