近年、日本で社会問題となっている連続強盗事件。その多くは、SNSで募集される「闇バイト」によって集められた実行犯によって引き起こされています。彼らは指示役から指示を受け、一般家庭を襲撃して金品を奪い、時には命を奪うこともあります。
一体、誰がこのような凶悪な犯罪を指示しているのでしょうか。そして、なぜ指示役は捕まらないのでしょうか。
今回は、実際に闇バイトに関与し、強盗事件の実行犯として逮捕された石田悠太被告(仮名・24歳)への取材を通して、闇バイトの実態と指示役の正体に迫ります。
貧困と犯罪の連鎖:石田被告の生い立ち
石田被告は、東北地方の貧しい家庭に生まれ育ちました。幼い頃から貧困を理由にいじめられ、次第にいじめる側に回るように。中学時代から非行に走り、高校を中退してからは窃盗グループを結成するなど、本格的に犯罪に手を染めていきました。
暴力団関係者との繋がりもでき、覚せい剤以外の薬物に手を出したことも。そして、薬物に溺れるうちに金銭的に困窮し、窃盗、恐喝、強盗、おやじ狩りなど、あらゆる犯罪に手を染めていったのです。
闇バイトとの出会い:指示役からの恐怖の支配
その後、石田被告は少年院に送致されますが、出所後も犯罪から足を洗うことはできませんでした。そして、再び罪を犯し、2度目の少年院生活を送ることになります。
この時、石田被告は闇バイトの存在を知ります。そして、出所後、生活費を稼ぐために闇バイトに手を出すようになり、指示役から様々な犯罪を指示されるようになります。
関東地方の強盗事件:X(旧Twitter)で集められた実行犯たち
石田被告が今回逮捕されたのは、2022年に発生した関東地方の70代女性宅での強盗事件です。
この事件で石田被告は、X(旧Twitter)で闇バイトに応募してきた23歳の男とその友人を率いて、現場の指示役を務めました。3人は女性を刃物で脅して拘束し、現金約200万円を奪って逃走。石田被告は地元の東北地方から犯行のために“遠征”してきたのです。
逃れられない恐怖:闇バイトの深淵と指示役の影
石田被告は、闇バイトの世界から抜け出そうとしたこともありました。しかし、指示役からの脅迫や暴力によって、恐怖に支配され、犯罪から抜け出すことができませんでした。
「闇バイトに一度足を突っ込んだら、もう逃げられない。逃げようとすれば、どんな目に遭うかわからない」
石田被告は、そう語っています。
指示役は誰?謎に包まれた存在
石田被告は、指示役の顔を知りません。指示は全てSNSを通じて行われ、指示役は複数のアカウントを使い分けていたため、特定することは不可能でした。
警察当局は、闇バイトを悪用した連続強盗事件の背後に、組織的な犯罪集団が関与している可能性もあるとみて捜査を進めています。
まとめ:闇バイトの闇は深い
石田被告への取材を通して、闇バイトの実態と指示役の正体の一端が見えてきました。しかし、闇バイトの世界は深く、まだまだ謎が多く残されています。
警察当局は、闇バイトを撲滅するために、取り締まりを強化しています。しかし、闇バイトの募集は後を絶たず、若者が犯罪に巻き込まれるケースが後を絶ちません。
闇バイトの問題は、私たち一人ひとりが真剣に向き合わなければならない社会問題です。