バイデン米大統領は26日、東部ペンシルベニア州で演説した際、大富豪で実業家のイーロン・マスク氏に関して「世界で最も富裕な男が、米国で不法就労者だったことが分かった。学生ビザで(米国に)来たのに学校にいなかった」と述べた。マスク氏はX(ツイッター)への投稿で「実際は米国で働くことを許されていた。操り人形のバイデン氏はうそをついている」と反論した。
米紙ワシントン・ポストは26日、マスク氏が1995年にスタンフォード大の大学院で学ぶために学生ビザで米国に入国したが、実際には入学せずに、ベンチャー企業を立ち上げていたと報じた。
これを受けて、バイデン氏は「マスク氏は法律に違反していた。それが今は、米国に来る不法移民のことを(批判して)話している」と述べた。
一方、マスク氏は「(教育機関での職業)訓練生のビザから専門技術者の就労ビザに切り替えた。彼ら(米政府)は私の記録を全部持っているのだから知っている」と主張。11月の大統領選で、自身が支持する共和党のトランプ前大統領と、バイデン氏が推す民主党のハリス副大統領が対決することを踏まえて、「選挙で劣勢だから必死になっているのだ」と批判した。【ワシントン秋山信一】