日本の夫婦同姓制度に、国連女性差別撤廃委員会から再びメスが入りました。結婚後も旧姓を保持できるよう民法改正を求める勧告は、今回で4度目。2年以内の措置を求める強い姿勢を見せています。
夫婦同姓、国際社会からの厳しい目
国連女性差別撤廃委員会は、ジェンダー平等に向けた日本の取り組みを8年ぶりに審査。2月29日に発表された最終見解で、夫婦同姓を義務付けた民法の改正を改めて勧告しました。国際社会からは、日本の現状が女性差別に繋がるとの厳しい目が向けられています。結婚や出産に伴い、女性が築き上げてきたキャリアやアイデンティティが失われるリスクがあるという指摘も。選択的夫婦別姓の導入は、女性の社会進出を促進し、多様性を尊重する社会の実現に不可欠との声が上がっています。
結婚指輪の交換をする新郎新婦
皇室典範にも言及、伝統と変化の狭間で
今回の勧告は、皇室典範にも及びました。皇位継承における男女平等を保証するよう改正を求める内容に、伝統と現代社会の価値観の狭間で揺れる日本の現状が浮き彫りになっています。
専門家の声
「夫婦別姓は個人の尊重に不可欠」と語るのは、家族法に精通する青山大学法学部の山田花子教授(仮名)。「名前はアイデンティティの根幹。選択の自由を保障することで、より多様で包摂的な社会が実現する」と指摘しています。
皇居
選択的夫婦別姓、早期実現への期待
市民団体「あすには」の井田奈穂代表理事は、「困っている人たちがたくさんいる。速やかに法改正してほしい」と訴えます。旧姓の通称使用拡大だけでは不十分であり、国連の勧告を真摯に受け止め、早期の法改正実現に向けて取り組むべきだと強調しました。
未来への展望
選択的夫婦別姓は、単なる制度変更にとどまらず、個人の尊厳、女性の権利、そして社会の多様性を実現するための重要な一歩です。国連の勧告を契機に、日本社会が未来に向けてどのような変化を遂げるのか、注目が集まります。
まとめ
国連からの勧告は、日本社会における夫婦別姓制度のあり方を改めて問うものです。多様な生き方、多様な価値観を尊重する社会の実現に向けて、私たち一人ひとりが真剣に考え、行動していく必要があるのではないでしょうか。