ジャニーズ事務所の性加害問題。世間を騒がせたこの問題は、時が経つにつれ風化しつつあるようにも見えます。しかし、20日に放送されたNHKスペシャル「ジャニー喜多川〝アイドル帝国〟の実像」は、改めてこの未曾有の事件を深く掘り下げ、大きな反響を呼びました。番組は、多くの少年たちをスターダムに押し上げながら、その裏で1000人以上もの少年への性加害を繰り返したジャニー喜多川氏、そしてその事実を知りながら隠蔽し、メディアを操ってきた姉のメリー喜多川氏の構図を克明に描いています。多くの視聴者が、その内容に衝撃を受け、改めて問題の深刻さを認識したのではないでしょうか。
故・中谷良氏の姉への対応に見る事務所の姿勢
番組内で特に注目すべき点、そして多くの人の怒りを買ったのが、ジャニーズの元メンバー、故・中谷良氏の姉に対する事務所(スマイルアップ)の対応です。東山紀之社長は会見で「人生をかけてこの問題に取り組んでいく」と被害者救済の決意を表明していましたが、その実態は大きく異なっていました。
暴露本を出した中谷氏への冷遇
中谷氏は1967年の裁判でジャニー氏の性加害について証言した一人です。しかし、1989年に出版された著書「ジャニーズの逆襲」で、裁判での証言が嘘であったこと、そして11歳から性被害を受けていたことを告白。その後、精神を患い、寂しい最期を迎えたとされています。
中谷良氏の著書「ジャニーズの逆襲」
事実を知った中谷氏の姉は、弟に代わり事務所に補償を申し立てました。当初は事務所側も非を認めていたようですが、中谷氏が「暴露本」を出したことで状況は一変。「暴露本を出した人物には金は出せない」という方針に転換したのです。
謝罪を求める姉への心ない言葉
金銭ではなく謝罪を求める姉に対し、事務所の補償担当者はのらりくらりとした対応を続け、ついには「誰が何を謝るんだというのが、ちょっと今わからなくて。本人たちが死んじゃっているんで」「本を書かれて(会社側が)痛めつけられたのは間違いないんで。会社としては、すごくつらい目にあったのは間違いないんで」といった信じられない言葉を投げかけました。
さらに、姉が東山社長の墓参を求めると、「いや、なんで東山がしなきゃいけないのか、ちょっと僕、わかんないんですよ。『メリーが謝れ』『ジャニーが謝れ』だったらわかるけど」と、ぞんざいな態度で拒否。この対応は、多くの視聴者に衝撃を与えました。
真の被害者救済とは何か?
著名な料理研究家、佐藤美香氏は「被害者とその家族にとって、真の救済とは金銭的な補償だけでなく、真摯な謝罪と心のケアが不可欠です。今回の事務所の対応は、その点を全く理解していないことを露呈しています。」と指摘しています。
ジャニーズ事務所
このNHKスペシャルは、ジャニーズ事務所の性加害問題の根深さを改めて浮き彫りにしました。真の被害者救済のためには、事務所の姿勢の根本的な転換が求められます。私たちは、この問題から目を背けず、被害者たちの声に耳を傾け続けなければなりません。
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