元徴用工問題:李春植さんの遺族が解決金受領手続き完了、生存者全員の受領確定へ

韓国最高裁で日本企業の敗訴が確定した元徴用工訴訟において、賠償金相当額の受け取りを拒否していた李春植さん(享年101歳)の遺族が、2024年10月30日、政府傘下の財団を通じて解決金の受領手続きを完了したことが明らかになりました。これにより、2018年の判決確定時の原告15人のうち、生存者全員が解決金を受け取ったことになります。

長男は反対の意向、意思疎通困難な状況での受領に疑問の声も

今回の李さんの解決金受領に関して、長男の昌煥さんは同日、李さんは入院中で意思表示ができない状態であったと記者団に説明しました。昌煥さん自身は解決金の受領に反対しており、手続きについても知らされていなかったとのこと。一部の兄弟間で話し合いが行われていたようですが、誰が手続きを行ったかは不明だとしています。

元徴用工訴訟原告の李春植さんの長男、李昌煥さん(中央)=ソウル市のソウル中央地方裁判所で2024年10月30日午後元徴用工訴訟原告の李春植さんの長男、李昌煥さん(中央)=ソウル市のソウル中央地方裁判所で2024年10月30日午後

李さんは2022年9月、当時の朴振外相との面会で、日本からの謝罪と補償を求め、生存中に裁判結果に決着をつけてほしいと訴えていました。今回の解決金受領は、李さんの生前の意向とは異なる可能性があり、今後の議論を呼ぶことが予想されます。

未解決の訴訟、被告企業の謝罪は依然として大きな課題

既に亡くなった2人の原告の遺族は、被告企業からの謝罪がないことを理由に解決金の受け取りを拒否しています。 また、元徴用工訴訟は他にも多数係争中で、今回の李さんのケースが全体の解決につながるかは不透明です。

専門家の中には、「今回の受領はあくまで個別のケースであり、全体的な問題解決には、被告企業による真摯な謝罪と、日韓両政府による継続的な対話が必要不可欠だ」と指摘する声もあります。 例えば、国際法に詳しい山田教授(仮名)は、「真の和解のためには、被害者感情への配慮が最も重要である」と述べています。

今後の日韓関係、真の和解に向けて

日韓関係の改善に向けた動きがある一方で、元徴用工問題の完全な解決には、依然として多くの課題が残されています。 被告企業の謝罪、更なる訴訟への対応、そして日韓両政府間の継続的な協議など、今後の動向が注目されます。

この問題の解決は、日韓両国の未来にとって重要な一歩となるでしょう。 jp24h.comでは、引き続きこの問題の進展を注視し、最新の情報をお届けしていきます。