搬送した遺体は母だった 泣き崩れるガザ救急隊員、イスラエル空爆で家族失う


写真特集:イスラエル・ハマス紛争(1/71)

アクサ殉教者病院によると、ガザ中部マガジで30日、車両がイスラエルに空爆され、死傷者の搬送のため赤新月社のパレスチナ人救急隊員アブドゥルアジズ・ブルディニさんが現場に出動した。

犠牲者のうち1人は女性だった。その時点では見分けがつかないまま、ブルディニさんは女性を救急車に乗せて病院に搬送。医師が死亡を確認した後、初めて女性の顔をじっと見つめ、自分の母親だったことに気付いた。

「お母さん……あなただとは分からなかった、本当に分からなかったんだ。誓って言う!」。遺体を担架で運びながら、ブルディニさんは泣き叫んだ。

近寄ってなぐさめようとする同僚は押しのけた。「母に会いたいんだ。放っておいてくれ。母と一緒にいたい」。そう言って母親の遺体にしがみついた。救急服は血まみれだった。

「兄弟姉妹に何と言えばいい? なんでみんな逝ってしまうの? もう耐えられない。兄弟たちも、父も、そして今度はあなたまで? 僕にはもう耐えられない!」。ブルディニさんはこの戦争で家族を次々に失っていた。

母親の遺体が運ばれて行くと、友人や同僚が周りに集まった。「自分の母親だとは分からなかった。知っている人のように見えた」とブルディニさんはすすり泣く。

ブルディニさんは母に最期の別れを告げるため、遺体安置所へ向かい、しばらくの間、涙を流しながら祈りを捧げた。そして遺体は埋葬のため、運び出された。



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