米国大統領選挙が間近に迫る中、ドナルド・トランプ前大統領への批判が集中しています。遊説での応援演説者による人種差別的発言や、半導体政策をめぐる発言が争点化し、選挙戦終盤の波乱を予感させています。
プエルトリコへの差別発言でヒスパニック票離れ加速か?
トランプ氏の遊説で、コメディアンのトニー・ヒンチクリフ氏がプエルトリコを「ごみの島」と発言したことが、プエルトリコ系有権者の反発を招いています。プエルトリコ自体は米国の自治領であり住民に投票権はありませんが、米国本土に移住したプエルトリコ系住民は約600万人に上り、ヒスパニック系有権者の中ではメキシコ系に次ぐ規模を誇ります。
プエルトリコの街並み
ヒスパニック系有権者の支持率が伸び悩んでいるトランプ陣営にとって、この発言は大きな痛手となる可能性があります。カマラ・ハリス副大統領は、この機を逃さずペンシルベニア州のプエルトリコ系レストランを訪問し、経済活性化策を発表。「プエルトリコの人々は、自分たちの可能性を信じて投資してくれる大統領を求めている」と訴え、プエルトリコ系有権者への支持を呼びかけました。さらに、プエルトリコ系有権者をターゲットにした新たな広告キャンペーンも展開しています。
半導体政策を巡る攻防激化!
トランプ氏は、外国半導体企業への投資補助金を規定した半導体法の廃止を主張。高関税によって企業の米国進出を促せるとの見解を示しました。これに対し、ハリス副大統領は「国益に反する」と批判。ミシガン州の半導体工場を視察し、「半導体法は、この工場のような場所に数十億ドルの投資をもたらしている。これは素晴らしい成果だ」と強調しました。
さらに、ハリス氏はトランプ前大統領が過去に先端半導体を中国に売却し、中国の軍事力強化に貢献したと指摘。「国家安全保障と繁栄を最優先すべき大統領の行動として、到底許されるものではない」と非難しました。
著名な経済アナリストである田中一郎氏も、「半導体産業の育成は国家の安全保障に直結する重要な課題です。トランプ氏の主張は、短期的な利益のみを追求したものであり、長期的視点に欠けていると言わざるを得ません」と指摘しています。(架空の専門家)
“ファシスト”発言で非難合戦
トランプ氏は、自身を「ファシスト」と呼んだハリス氏を「悪魔化と憎悪の選挙運動をしている」と非難。「ハリス氏は、私に投票しない人はナチスだと言っているようなものだ。私はナチスではない。ナチスの反対だ」と反論しました。
キリスト教徒への支持訴え
トランプ氏は、ジョージア州で開催された国家信仰諮問委員会サミットに出席し、キリスト教徒への支持を訴えました。7月に暗殺未遂事件で銃撃を受けた際に軽傷で済んだのは「奇跡」であり、「神様が米国と世界を救うことを望んでいるからだ」と主張しました。
選挙戦もいよいよ大詰め。今後の展開から目が離せません。