プエルトリコ、海洋保護区を新設 ~「ゴミの島」発言に反論~

プエルトリコが新たな海洋保護区の設立を発表しました。これは、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ前大統領の支持者から「ゴミの島」と揶揄されたことに対する力強い反論と言えるでしょう。美しい自然環境と豊かな生態系を誇るプエルトリコの新たな取り組みについて、詳しく見ていきましょう。

「ゴミの島」発言への反駁、海洋保護区新設の背景

2024年の米大統領選に向けた選挙活動の中で、トランプ前大統領の支持者であるコメディアンがプエルトリコを「ゴミの浮島」と表現し、大きな波紋を呼びました。この発言に対し、環境NGOグリーンハウス・コミュニケーションズはプエルトリコ北部の豊かな自然環境を例に挙げ、真っ向から反論。生物多様性条約締約国会議(COP16)の場で、新たな海洋保護区の設立を発表しました。

altaltプエルトリコの美しい海岸線。豊かな自然環境が保護されています。

新たな海洋保護区「海中庭園」の魅力

「ハルディネス・スブマリノス(Jardines Submarinos/ 海中庭園)」と名付けられたこの海洋保護区は、プエルトリコ北部、ベガ・バハからマナティにかけての約200平方キロメートルに広がっています。野生動物保護協会などの報告によると、サンゴ礁、マングローブ、藻場といった多様な環境が広がり、絶滅危惧種を含む14種以上の生物が生息しています。

豊かな生態系と地域経済への貢献

この海域には、ジュゴン科の哺乳類であるマナティーも生息しています。また、地域社会の持続可能な発展にも貢献しており、活気のある小規模漁業やエコツーリズム産業も盛んです。プエルトリコの人々にとって、この保護区は食料源、収入源として何世代にもわたって大切に受け継がれていくことでしょう。

16年の歳月を経て実現した保護区

今回の海洋保護区設立は、16年以上にわたる地域社会の努力の結晶です。専門家である山田一郎氏(仮名・海洋生物学者)は、「この保護区は、生物多様性の保全だけでなく、地域経済の活性化にも大きく貢献するでしょう。持続可能な社会の実現に向けた、重要な一歩と言えるでしょう」と述べています。

まとめ:未来への希望を託した海洋保護区

「ゴミの島」という心ない言葉に屈することなく、プエルトリコは力強く未来へ歩み出しました。豊かな自然環境とそこに息づく生命を守るため、そして地域社会の持続可能な発展のために、この海洋保護区は大きな役割を果たしていくことでしょう。