シャインマスカットの栄光、いまどこに?価格暴落で「果物のエルメス」の輝き失う

かつて「果物のエルメス」と称賛され、高値で取引されていたシャインマスカット。しかし今、その輝きは失われつつあります。供給過剰による価格暴落、そして味への疑問の声。一体何が起きているのでしょうか?この記事では、シャインマスカットを取り巻く現状と、消費者の反応、そして専門家の見解を詳しくお届けします。

シャインマスカット、価格暴落の現状

ソウル清涼里(チョンリャンリ)青果物市場では、シャインマスカットの価格暴落が深刻な問題となっています。かつて1キロ1万5000ウォン(約1650円)以上で取引されていたものが、今では8000ウォン(約880円)ほどに。4kg箱で4万ウォン(約4400円)だったものが、半額の2万ウォン(約2200円)台で販売されているという現状も。市場関係者は、シャインマスカットの売上が昨年と比べて半分以下に落ち込んでいると嘆いています。

ソウル清涼里青果物市場のシャインマスカットソウル清涼里青果物市場のシャインマスカット

供給過剰の背景:栽培の容易さとブームの終焉

価格暴落の背景には、シャインマスカットの栽培ブームがあります。従来の黒ブドウに比べ、シャインマスカットは栽培が容易であるため、多くの農家がシャインマスカット栽培に乗り換えました。結果として、需要を上回る供給過剰の状態に陥り、価格が下落したと考えられています。

専門家の見解

韓国農村経済研究院のキム・サンヒョ動向分析室長は、「需要に対して供給が多ければ価格下落は避けられない。消費者の需要がシャインマスカットから他のブドウ品種に移行しつつある傾向が見られる」と指摘しています。

消費者から疑問の声:「味が落ちた」

価格下落だけでなく、シャインマスカットの味に対する疑問の声も上がっています。かつての「果物のエルメス」という異名とは裏反する現状に、消費者は失望を隠せない様子。「実が小さく、味が落ちた」「水っぽくて美味しくない」といった声が聞かれ、以前は好んで購入していた消費者も、今では敬遠するようになってきているようです。

シャインマスカットシャインマスカット

シャインマスカットの未来は?

かつての高級フルーツとしての地位を失いつつあるシャインマスカット。価格の低下は消費者にとってメリットとなる一面もありますが、品質の低下が懸念されています。生産者側は、品質向上とブランドイメージの回復に力を入れる必要があるでしょう。今後のシャインマスカットの動向に注目が集まります。