韓国女子バレーボールチームは、2025年国際バレーボール連盟(FIVB)バレーボールネーションズリーグ(VNL)の全日程を終えた。自力でのリーグ残留を確定できないまま、帰国の途に就くこととなった。VNLでは、出場18カ国のうち最下位となったチームは次回の出場資格を失い、大陸別ネーションズカップに降格する規定がある。
フランスに完敗、大会最終戦を飾れず
大会第3週の最終戦が6月13日、千葉で開催された。世界ランキング34位の韓国は、同16位のフランスと対戦し、0-3(17-25、19-25、21-25)のストレートで敗れた。この結果、韓国は今大会を1勝11敗の厳しい成績で終えることとなった。韓国が挙げた唯一の勝利はカナダ戦での3-2によるものだが、ドイツ、イタリア、トルコ、ドミニカ共和国、日本など、多くの強豪チームには敗戦を喫した。フランスとの最終戦では、韓国は高いブロックに苦しみ第1セットを落とした。第2セットではカン・ソフィやチョン・ホヨンらが奮闘するも、セット奪取には至らなかった。第3セットは14-14まで接戦を演じたものの、終盤にリードを許し力尽きた。この試合で韓国はユク・ソヨンがチーム最多の10得点、ムン・ジユンが8得点を記録した。
2025 VNL 韓国女子バレー モラレス監督 フランス戦で選手に指示 降格危機の中での様子
大会通算成績と残留の行方
今大会、韓国は最低でも2勝を挙げて自力でVNL残留を果たすことを目標としていたが、結果は1勝にとどまった。この1勝はフルセットでの勝利だったため、勝ち点としては2点を獲得した。これにフルセットでの3敗(勝ち点1点×3回)を加え、大会合計勝ち点は5点となった。韓国はタイと並んで1勝(10敗)だが、勝ち点ではタイ(8点)を下回っている(※記事執筆時点の情報)。韓国の降格回避は、6月14日に行われるタイとカナダの最終戦の結果に委ねられることになった。タイがカナダに勝利した場合、またはフルセットまで持ち込んで敗れた場合でも、韓国の勝ち点を上回るため、韓国が最下位となり降格が確定する。
世代交代と国際競争力への懸念
近年、キム・ヨンギョンやヤン・ヒョジンといった韓国女子バレーを長年支えてきたスター選手が相次いで代表から退き、チームは世代交代の途上にある。今回の代表チームもチョン・ユンジュ、キム・ダウン、キム・セビン、ユク・ソヨン、イ・ジュアら若い選手が中心となった構成だった。そのため、今大会での大きな好成績は当初から期待されていなかった。しかし、全12試合を通して2勝を挙げられなかったという結果は、韓国女子バレーボールの国際競争力低下に対する深刻な懸念をもたらしている。
選手のコメント
今大会で主力アウトサイドヒッターとして成長を見せたユク・ソヨン選手は、「世界的な選手と対戦する中で、かなりの成長を実感できた。目標としていた満足できる結果を出せず残念だが、今回の貴重な経験を次に生かし、再び代表チームの一員としてプレーしたい」と語った。勝負所で良いサーブを見せる場面もあったチョン・ユンジュ選手は、「太極マーク(韓国代表)をつけることに強い意欲があった。国際大会を経験したことで、もっと良い選手になりたいという気持ちがさらに強まった」とコメントした。
結論
2025年VNLでの韓国女子バレーチームは、世代交代の難しさに直面しながら、1勝11敗という厳しい結果に終わった。自力での残留目標は達成できず、その行方は他チームの結果次第という状況である。今大会での経験は若い選手たちの成長の糧となる一方で、国際舞台での競争力維持という大きな課題を改めて浮き彫りにした形だ。
参照元: https://news.yahoo.co.jp/articles/557f6389740de978d6e30a0eaea6a130e039d679