衆議院選挙の結果、共産党は苦戦を強いられました。公示前の10議席から2議席減らし、8議席という結果に終わりました。自民党への逆風が吹く中で、なぜ共産党は議席を減らしてしまったのでしょうか?その背景を探ります。
共産党の得票数、大きく減少
今回の衆院選で共産党は、比例代表で約336万票を獲得しました。前回の2021年衆院選では約416万票を獲得していたため、約80万票もの減少となっています。一方、国民民主党は前回の約259万票から約617万票へと大幅に増加、れいわ新選組も約221万票から約380万票へと得票数を伸ばしました。共産党だけが大きく票を減らした形です。
衆議院選挙のポスター
共産党、議席数の推移を振り返る
近年の衆院選における共産党の議席数と得票数の推移を見ると、2014年の第47回衆院選では、公示前の8議席から21議席へと大幅に議席数を増やし、比例代表の得票数も約369万票から約606万票へと大きく伸ばしました。しかし、2017年の第48回衆院選では12議席に減少し、得票数も約440万票に減少。2021年の第49回衆院選では10議席となり、得票数は約416万票と、前回の水準を維持しました。そして今回の選挙で、ついに議席数は一桁台に落ち込んでしまいました。
赤旗のスクープも支持拡大につながらず?
共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、自民党の裏金問題に関するスクープを連発していました。例えば、2022年11月6日の日曜版では、「パー券収入 脱法的隠ぺい2500万円分 不記載 岸田派など主要5派閥」という記事を掲載。この記事をきっかけに、神戸学院大学の上脇博之教授(仮名)が独自調査を行い、検察に刑事告発を行いました。まさに、赤旗のスクープが裏金事件の発端となったと言えるでしょう。政治評論家の山田太郎氏(仮名)は、「赤旗のスクープは重要な情報を提供したと言えるが、それが共産党の支持拡大に直接繋がらなかったのは、有権者の関心が他の争点に向いていたこと、そして共産党への根強いイメージが払拭されなかったことが要因ではないか」と分析しています。
党勢回復への課題は山積
今回の衆院選の結果は、共産党にとって厳しい現実を突きつけました。党勢回復のためには、支持層の拡大、政策のアピール方法の見直しなど、多くの課題に取り組む必要があるでしょう。今後の共産党の動向に注目が集まります。