娘が19歳で統合失調症を発症してから10年以上。講談師として活躍する神田香織さんは、我が子のために奔走する中で、様々な情報、そして様々な人々と出会ってきました。今回は、彼女が経験したある医師との衝撃的な出会い、そして薬害問題への葛藤について、深く掘り下げていきます。
薬害への不安と藁にもすがる思い
統合失調症と診断された我が子を持つ親にとって、情報収集は藁にもすがる思いです。インターネットや書籍を通して様々な情報に触れる中で、精神薬の副作用や薬害に関する情報に不安を抱く親御さんも少なくありません。神田香織さんも、当時、薬害を強く訴えるある医師の著書に感銘を受け、藁にもすがる思いで診察を受けに行きました。
娘と診察に向かう神田香織さん
衝撃の診察と医師の言葉
しかし、その医師との出会いは、彼女にとって衝撃的なものでした。具体的な治療方針を示すどころか、「統合失調症は親が悪い」という言葉を繰り返し、既に自責の念に駆られていた神田さんの心を深く傷つけたのです。さらに、「人はその気になればどこでも生きていける」といった現実離れした発言も、患者とその家族への配慮を欠いたものでした。
薬の断薬と娘の変化
医師の勧めで薬の断薬を試みた娘さんでしたが、症状は悪化し、不安定な状態に陥ってしまいました。そんな中、神田さんは他の患者家族から、その医師への怒りの声を耳にします。 「あの医者はひどい人だ。親が悪いとしか言わない。」と、声を震わせる老夫婦の姿は、今も神田さんの心に深く刻まれています。
エレベーター前での出来事と決断
そして、ある日、病院のエレベーター前で起きた出来事が、神田さんに決断を迫らせます。落ち着きを失った娘さんがエレベーターに乗ろうとしない様子を見た医師は、「こんな変な人、見たことがない」と吐き捨てたのです。この言葉を聞き、神田さんは、患者を救うべき医師が、このような態度を取ることに強い憤りを感じ、その病院に通うのをやめました。
統合失調症に関する情報を探す神田香織さん
心残りな娘の言葉
しかし、今でも神田さんの心には、ある心残りが残っています。それは、断薬直後でまだ症状が軽かった頃の娘さんが、病院の待合室に貼られたボードに「薬を抜いて体調が良くなりました」と書き残したこと。10年以上経った今でも、その言葉が消されずに残っていたら…と、神田さんは複雑な思いを抱えています。
統合失調症治療の難しさ
この経験を通して、神田香織さんは統合失調症治療の難しさ、そして患者とその家族が抱える苦悩を改めて実感しました。精神科医の田中一郎先生(仮名)は、「統合失調症の治療には、薬物療法だけでなく、心理社会的療法も重要であり、患者一人ひとりに合わせた丁寧な治療が必要」と指摘しています。
終わりに
神田香織さんの経験は、私たちに多くのことを考えさせてくれます。統合失調症という病気に対する理解を深め、患者とその家族を支える社会の必要性を改めて感じさせられます。 皆さんは、この出来事についてどう思われますか?ぜひ、コメント欄であなたの意見を聞かせてください。また、この記事が役に立ったと思ったら、シェアして周りの方にも教えてあげてくださいね。jp24h.comでは、他にも様々な社会問題に関する記事を掲載していますので、ぜひご覧ください。