三遊亭王楽さんが来年2月に七代目三遊亭円楽を襲名することが発表され、落語界に大きな話題を呼んでいます。国民的人気を誇る偉大な名跡を継承する王楽さんの胸中には、一体どのような思いが秘められているのでしょうか。この記事では、王楽さんの落語家としての道のり、襲名に至るまでの経緯、そして未来への展望について深く掘り下げていきます。
落語との出会い、そして父・好楽との深い絆
幼少期は落語に全く興味がなかったという王楽さん。父親である三遊亭好楽さんがテレビに出ていることが嫌だったというエピソードからは、当時の複雑な心情が垣間見えます。しかし、大学在学中に落語を聞いてみたことがきっかけで、その魅力にどっぷりとハマってしまったのです。落語家になりたいという思いを好楽さんに打ち明けた時の緊張と、好楽さんの温かい言葉は、今でも王楽さんの心に深く刻まれていることでしょう。
三遊亭王楽さん
実の父親が存命にも関わらず、他の落語家に入門するのは異例のこと。しかし、好楽さんは息子の決断を尊重し、王楽さんは五代目円楽の最後の弟子として入門しました。
五代目、六代目からの教え、そして叱咤激励
五代目円楽からは芸の心得だけでなく、落語界を背負っていく覚悟の大切さを学びました。伝統芸能としての落語を終わらせない、という強い思いは、王楽さんの落語家としての根幹を成していると言えるでしょう。一方、六代目円楽からは厳しい叱咤激励を受け続けました。褒められたことはほとんどなかったという王楽さんですが、六代目からはプロデューサーとしての才能を認められていました。
王楽さんは、東西、そして団体の垣根を越えたコミュニケーション能力で知られています。それは、人への愛情から生まれるものなのかもしれません。襲名決定後、お世話になった師匠方への報告では、笑福亭鶴瓶さんや立川志の輔さんが涙を流して喜んでくれたというエピソードからも、王楽さんの人望の厚さが伺えます。
七代目円楽襲名への決意、そして未来への展望
六代目円楽夫人の言葉、そして五代目、六代目の思いを風化させたくないという強い決意が、王楽さんを七代目円楽襲名へと導きました。襲名という大きな節目を迎え、人に恵まれ、人に背中を押されてきたことを改めて実感しているという王楽さん。
五代目円楽一門会系図
「売れることが一番の恩返し」という好楽さんの言葉は、王楽さんの心に深く響いています。七代目円楽として、さらに大きな名跡へと成長させるという夢を抱き、未来へ向かって歩みを進めています。王楽さんの今後の活躍に、大きな期待が寄せられています。
披露興行情報
2月26日から3月2日まで、東京・有楽町のよみうりホールで襲名披露興行が開催されます。豪華な顔ぶれが揃い、落語界の一大イベントとなることでしょう。
まとめ
七代目円楽襲名は、落語界にとって大きな転換期となる出来事と言えるでしょう。王楽さんは、偉大な先人たちの思いを受け継ぎ、新たな時代を切り開いていくことでしょう。今後の活躍に期待が高まります。