長野県で両親が9歳息子を虐待、懲役4年を求刑—子供の歯ぎしりや行動に我慢できず

長野県で、9歳の息子に粘着テープで手足を縛ったり、柵の中に閉じ込めるなどの虐待行為を繰り返したとして、30代の両親が逮捕・起訴されました。検察側は「常習的で悪質」と懲役4年を求刑し、判決は11月25日に言い渡される予定です。この事件は、子育ての難しさや、家庭内における暴力の問題を改めて浮き彫りにしています。

繰り返された虐待行為—テープで拘束、柵に閉じ込め

事件の発端は、2024年6月から8月にかけて、両親が当時9歳だった息子の手足を粘着テープで縛り、口を塞いで身動きを取れないようにしたことです。さらに9月には、息子を拘束した上でストーブを囲う柵の中に閉じ込めたとされています。これらの行為は、子供の心身に深刻な影響を与える可能性があり、決して許されるものではありません。

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父親「歯ぎしりと壁叩く音がうるさかった」—母親は「夫が怖くて」

11月1日に行われた初公判で、両親は起訴内容を認めました。父親は、息子の歯ぎしりや、壁やドアを叩く音に我慢できなかったと供述しています。一方、母親は、夫の暴力的な性格を恐れ、虐待行為を止められなかったと述べています。家庭内での暴力は、被害者が声を上げにくい状況を作り出し、深刻な事態を招く危険性があります。

専門家の見解—子供のSOSを見逃さないために

児童虐待防止に長年取り組んでいるNPO法人「子どもの未来を守る会」(仮称)代表の山田花子氏(仮名)は、「今回の事件は、子育てのストレスや夫婦間の問題が、子供への虐待につながった典型的な例と言えるでしょう。子供からのSOSを見逃さないためには、周囲の大人の関心と、早期の介入が不可欠です」と指摘しています。また、虐待を受けた子供への適切なケアと、加害者への更生プログラムの充実も重要な課題となっています。

判決は11月25日—虐待の根絶に向けて

検察側は、両親の行為を「常習的で悪質」と判断し、それぞれに懲役4年を求刑しました。一方、弁護側は反省の態度を示しているとして執行猶予を求めています。判決は11月25日に言い渡される予定で、今後の司法判断が注目されます。この事件を教訓に、社会全体で子供を守るための取り組みを強化し、虐待の根絶を目指していく必要があります。

虐待かな?と思ったら—相談窓口のご紹介

児童虐待の相談窓口としては、全国共通ダイヤル「189」や、各都道府県・市町村の児童相談所などが設置されています。少しでも虐待が疑われる場合は、ためらわずに相談することが大切です。子供の未来を守るために、私たち一人ひとりができることを考えていきましょう。