韓国式ゴミ処理でマチュ・ピチュを守る!ペルー古都クスコの挑戦

マチュ・ピチュ遺跡で知られるペルーの古都クスコが、深刻なゴミ問題解決に向けて韓国式のゴミ処理システムを導入するという画期的な取り組みを始めています。世界遺産を守るための挑戦、その詳細に迫ります。

観光都市クスコのゴミ問題とは?

年間240万人もの観光客が訪れるクスコは、美しい景観とは裏腹に深刻なゴミ問題を抱えています。人口約50万人のクスコ市では、1日あたり約450トンものゴミが排出されており、そのほとんどが埋め立て処理されているのが現状です。既存のハキラ埋立地は飽和状態に近づいており、土壌汚染も懸念されています。持続可能な観光を実現するため、抜本的な対策が求められていました。

マチュ・ピチュの景観マチュ・ピチュの景観

韓国式リサイクルシステムで「ゼロウェイスト」を目指す

そこでクスコ市が導入を決めたのが、韓国の高度なゴミ処理・リサイクル技術です。韓国国際協力団(KOICA)の支援のもと、1日60トンもの有機性廃棄物を処理できる堆肥化施設の建設が計画されています。目標は、生ゴミの約8割をリサイクルすること。環境教育館の設立や、市民への分別排出の啓発活動なども並行して行われ、2050年までに「ゼロウェイスト」の達成を目指しています。

具体的な取り組み内容

KOICAは、単なる技術提供だけでなく、クスコ市民の意識改革にも力を入れています。ゴミ問題の深刻さを理解してもらい、分別排出の重要性を啓発することで、持続可能なシステムの構築を目指しているのです。 環境専門家である山田一郎氏(仮名)は、「市民の協力なしに、どんなに優れたシステムも機能しません。KOICAの取り組みは、技術面と意識改革の両面からアプローチしている点で非常に優れている」と評価しています。

世界から注目される韓国のゴミ処理技術

韓国のゴミ処理技術は、世界的に高い評価を受けています。フランスのメディア「フランス24」は、韓国を生ゴミリサイクルのチャンピオンと称賛。アメリカのワシントン・ポスト紙も、韓国の生ゴミ処理方式が世界の手本になると報じています。韓国では20年近く前から生ゴミのリサイクルが義務化されており、現在では98%もの生ゴミがリサイクルされているといいます。

クスコの街並みクスコの街並み

ペルーと韓国の協力関係

今年6月には、韓国と中南米諸国が気候変動協力協定を締結。KOICAのキム・ヨンウ所長は、「ペルー政府は、KOICAの支援を通じてゴミ問題の解決と気候変動対策に積極的に取り組んでいる」と述べています。

まとめ:未来への希望

クスコ市の挑戦は、単なるゴミ問題の解決にとどまらず、持続可能な観光を実現するための重要な一歩です。韓国の協力のもと、世界遺産マチュ・ピチュを守り、未来へと繋ぐ取り組みは、世界各国にとってのモデルケースとなるでしょう。