手取り増加へ「103万円の壁」撤廃? 世論調査で賛成66%、家計への影響は?

国民民主党が提唱する「103万円の壁」の引き上げ。年収103万円を超えると所得税が課税される現状から、178万円への引き上げを目指すこの政策、家計への影響は大きいと予想されます。最新のJNN世論調査によると、実に66%もの人がこの「年収の壁」の引き上げに賛成していることが判明しました。反対は20%にとどまり、国民の関心の高さが伺えます。

「103万円の壁」とは? なぜ178万円への引き上げが議論されているのか?

「103万円の壁」とは、配偶者控除や扶養控除を受けるための年収制限のこと。この壁を超えると税金や社会保険料の負担が増え、手取りが減ってしまうケースも。共働き世帯を中心に、この壁の存在が就労意欲の低下につながるとの指摘もあります。178万円への引き上げは、より多くの世帯が控除を受けられるようにすることで、家計の負担軽減を図ることが目的です。

年収と税金、社会保険料の関係を示す図年収と税金、社会保険料の関係を示す図

7兆6000億円の減収… 財源確保は?

しかし、この政策には課題も。政府の試算では、178万円への引き上げにより、国と地方合わせて7兆6000億円もの減収が見込まれています。この莫大な財源をどのように確保するのか、具体的な方策は未だ示されていません。専門家の中には、「消費税増税などの増税措置なしに実現するのは困難」との声も。例えば、A大学経済学部のB教授は、「持続可能な社会保障制度の維持のためには、新たな財源確保策が不可欠」と指摘しています。

世論の賛成多数も… 課題解決が焦点に

今回のJNN世論調査では、賛成66%と国民の多くが「103万円の壁」の引き上げに賛同していることが明らかになりました。しかし、巨額の減収という大きな課題も存在します。政府は今後、どのように財源を確保し、この政策を実現していくのか。国民生活に直結する問題だけに、今後の動向に注目が集まります。

JNN世論調査の詳細

今回の世論調査は、RDD方式(固定電話と携帯電話の無作為抽出)で実施されました。11月2日と3日に全国18歳以上の男女2371人に調査を行い、1020人から有効回答を得ています。固定電話508人、携帯電話512人という内訳で、より有権者の縮図に近い結果を得るための工夫が凝らされています。調査員による直接聞き取りや、固定電話における乱数指定など、精度の高い調査手法が採用されています。