非認知能力という言葉をご存知でしょうか?学力などの数値化できる能力とは異なり、主体性やコミュニケーション能力、やり抜く力などを指します。近年、この非認知能力を育む子育てが注目を集めています。今回は、世界で活躍する大谷翔平選手や藤井聡太名人の両親の子育てから、非認知能力を育むヒントを探ってみましょう。
超一流選手を育てる子育ての共通点
大谷翔平選手のような、世界を舞台に活躍する人物に我が子を育てたいと願う親は多いでしょう。身体能力だけでなく、人間性や粘り強さといった非認知能力も兼ね備えた大谷選手は、まさに理想像と言えるかもしれません。
スポーツライターの吉井妙子氏は、多くの超一流選手の親を取材し、その子育てに共通点を見出しました。それは、「頭ごなしに怒らない」「子どもの考えを否定しない」という2つのシンプルな原則です。(出典:週刊現代 2021年12月11・18日号)
大谷翔平選手がバッターボックスに立つ様子
「なぜできないの?」「お前はダメだ」といった言葉は、子どもの心に深い傷を残し、自信を失わせる可能性があります。子どもの自主性を尊重し、可能性を信じることが、非認知能力を育む上で重要です。吉井氏によると、大谷選手の両親もこの「アートな子育て」を実践していたと推測されています。
藤井聡太名人を育てた家庭環境
将棋界の至宝、藤井聡太名人もまた、非認知能力を重視した家庭環境で育ったと言われています。藤井名人の両親は、「親は親、子どもは子ども」というスタンスを貫き、子どもの「好き」という気持ちを尊重し、過干渉を避けていたそうです。
藤井少年が何かに集中している時は、決して邪魔をしないように配慮していたというエピソードは有名です。子どもが自ら学び、成長していくための環境を整えることが、非認知能力の育成につながるのです。
非認知能力を育むために親ができること
大谷選手や藤井名人の例からも分かるように、非認知能力は特別な教育方法ではなく、子どもの自主性を尊重し、可能性を信じるという親の姿勢によって育まれます。
具体的には、以下のような点を意識してみましょう。
子どもの興味関心を尊重する
子どもが何に興味を持ち、何に熱中しているのかを注意深く観察し、その気持ちを尊重しましょう。好きなことに没頭できる環境を作ることで、子どもの自主性や探究心を育むことができます。
失敗を恐れずに挑戦させる
子どもが失敗した時に、頭ごなしに叱るのではなく、何が原因だったのかを一緒に考え、次にどうすれば良いのかを話し合いましょう。失敗から学ぶ経験は、 resilience (回復力) や problem-solving skills (問題解決能力) といった非認知能力を育む上で非常に重要です。
コミュニケーションを大切にする
日頃から子どもと積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築きましょう。子どもの気持ちを理解し、共感することで、自己肯定感やコミュニケーション能力を高めることができます。
まとめ
大谷翔平選手や藤井聡太名人の子育てから、非認知能力を育むヒントを探ってみました。特別な教育方法ではなく、子どもの自主性を尊重し、可能性を信じるという親の姿勢が大切です。ご紹介したポイントを参考に、お子さんの非認知能力を育む子育てを実践してみてはいかがでしょうか。