中国「ベンチ族」現象:電車内に椅子を持ち込む乗客たちの実態

電車内に、なんと自分の椅子やソファを持ち込んで座る人々がいる…そんな信じられない光景が中国各地で目撃され、話題になっています。彼らは「ベンチ族」と呼ばれ、その背景には中国特有の鉄道事情が潜んでいるようです。一体なぜ彼らは椅子を持ち込むのでしょうか?この記事では、この奇妙な現象について詳しく解説します。

ベンチ族:まるで自宅?電車内でくつろぐ驚きの光景

中国の鉄道で目撃された「ベンチ族」の動画が、SNSを中心に拡散されています。

北京市では、大きな荷物を背負った男性が電車に乗り込み、なんと背負っていたのはソファ!彼は何食わぬ顔でソファを下ろし、くつろぎ始めました。隣の乗客と談笑する様子も見られ、全く悪びれる様子はないようです。目的地の駅に着くと、再びソファを背負って颯爽と去っていく姿は、まさに異様と言えるでしょう。

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杭州市では、家庭用の椅子を持ち込んで座る男女の姿が、武漢市では、ふんぞり返って耳を掻く男性の姿が目撃されています。まるで自宅の居間でくつろいでいるかのような光景は、驚きを通り越して呆れてしまうほどです。上海市の地下鉄でも問題となっているようで、この「ベンチ族」現象は中国各地で広がりを見せているようです。

混雑と長距離移動:ベンチ族を生み出す中国の鉄道事情

一見、通常の座席に座っている乗客もいるのに、なぜわざわざ椅子を持ち込む必要があるのか疑問に思うでしょう。しかし、そこには中国特有の鉄道事情が関係しています。

特に問題視されているのは、上海市と蘇州市を結ぶ地下鉄11号線。片道約2時間という長距離路線で、車内は常に大混雑しており、座席に座れることは稀なのだとか。乗り換え駅も少ないため、途中で席が空く可能性も低いという、まさに過酷な状況です。

ベンチ族ビジネスの誕生?需要に応える販売業者の出現

この過酷な状況と「ベンチ族」のニーズに応えようと、なんと電車内で使える椅子を販売する人まで現れました。より座りやすく、持ち運びしやすい椅子を販売する動画がSNSにアップロードされ、物議を醸しています。

安全への懸念:当局の対応は?

安全面から椅子の使用を控えるよう呼びかけは行われているものの、当局による厳しい取り締まりはまだ行われていないようです。今後、この「ベンチ族」現象がどのように対応されていくのか、注目が集まっています。

中国の鉄道事情が生み出した「ベンチ族」。その背景には、長距離移動と慢性的な混雑という深刻な問題が潜んでいます。快適な移動を実現するために、どのような対策が講じられるのか、今後の動向に注目していきましょう。