松野太紀さん、その名はアニメファンなら誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「金田一少年の事件簿」の金田一一役、「スポンジ・ボブ」のスポンジ・ボブ役など、数々の代表作で知られる声優、松野太紀さん。2024年6月26日に右大脳出血のため56歳という若さでこの世を去りました。11月5日に行われた松野さんを送る会には、三ツ矢雄二さん、田中真弓さん、古川登志夫さんをはじめとする声優仲間、そしてSnow Manの佐久間大介さん、WEST.の桐山照史さんなど、ゆかりのある500名もの人々が参列し、故人を偲びました。
笑いと涙に包まれた送る会、三ツ矢雄二さんが故人への想いを語る
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送る会後、三ツ矢雄二さん、田中真弓さん、古川登志夫さん、皆口裕子さんが囲み取材に応じました。三ツ矢さんは、「兄弟のように過ごしてきたので、いまだに彼がいないことが信じられない。未練たらたらです。本当に亡くなってしまったんだと思うと涙が出てきて、胸が詰まります。これからの余生、笑いがなくならないか不安ですが、田中真弓がいるから大丈夫かな。2人で笑って生きていきます」と、時折言葉を詰まらせながら故人への深い愛情を語りました。
松野メソッド、そして後進育成への情熱
松野さんの人柄について問われると、三ツ矢さんは「表の顔と裏の顔がありまして…」と前置きし、「表の顔は後進の指導に当たる良い先生でした。シリアスからコメディまで幅広く演じられる素晴らしい役者でもありました。でも、裏の性格については一言も言えません」と、笑いを誘いながら故人を偲びました。田中真弓さんも「松野メソッドと呼ばれる教え方があって、習いに行きたいと言ったら『もうやめて!』と怒鳴られました」と、思い出を語り、会場は温かい笑いに包まれました。 三ツ矢さんは「自分の教え方に確信を持っていて、若手を厳しく指導したり、上達すれば褒めたり、真摯に演技指導にあたっていました。彼独特の雰囲気があり、多くの人に愛されていました」と、松野さんの後進育成への情熱を語りました。
天国の松野さんに届け、泣き笑いのお別れ
「松野さんはどんな風に思っていると思いますか?」という質問に対し、三ツ矢さんは「きっと泣いてほしい気持ちと、笑ってほしい気持ち、両方あると思います。役者としては笑われたい性質もあったので。泣き笑いのお別れが理想なのではないでしょうか」と答え、自身も司会を務めた送る会が、松野さんの望む形になったのではないかと振り返りました。 多くの仲間、ファンに惜しまれつつこの世を去った松野太紀さん。彼の残した功績と、人々への温かい想いは、これからも語り継がれていくことでしょう。