公明党は、衆議院選挙での大敗を受け、石井啓一代表の辞任が決まりました。8議席減という結果を受け、党内では「トップ人材の払底」という深刻な危機感が高まっています。創価学会員の高齢化に加え、指導力のある人材の不足は、公明党の衰退を加速させていると言えるでしょう。
石井氏の敗北と「責任逃れ」の姿勢
埼玉14区で落選した石井氏は、敗北が濃厚となった10月27日夜、報道陣の質問に答えず車に乗り込むという行動をとりました。この「責任逃れ」とも取れる姿勢は、支援者から批判の声が上がっています。選挙期間中、県外から応援に駆け付けた創価学会のある地域幹部は、「石井さんに逃げるような姿を晒されてしまうと、彼を押し上げようと汗をかいた現場もなんか悪かったのかってことになるじゃない。」と苦言を呈しています。
石井啓一氏
石井氏は開票センターで「私なりに頑張ったつもりだ」と発言しましたが、この言葉は多くの学会員には「私は悪くない」という責任転嫁のメッセージとして受け取られたようです。建設官僚出身でエリートコースを歩んできた石井氏ですが、党代表就任までには時間を要しました。これは、彼の「堅物ぶり」がトップの資質として懸念されていたためだと囁かれています。今回の選挙結果は、その懸念が現実のものとなってしまったと言えるかもしれません。
20年で300万票減:高齢化とリーダー不在が招く衰退
公明党の比例票は、ピーク時の2005年には898万票でしたが、今回の選挙では596万票まで減少しました。およそ20年で300万票もの減少は、深刻な衰退と言えるでしょう。この原因として、学会員の高齢化が指摘されていますが、同時にリーダーシップを発揮できる人材の不足も大きな要因となっています。
公明党議員には、大きく分けて2つのパターンがあります。1つは、学会の学生部長や青年部長など、信仰活動を担ってきた活動家出身の議員。もう1つは、弁護士や官僚などエリートコースを歩んできた議員です。
例えば、2006年から2009年に党代表を務めた太田昭宏氏は、学会の男子部長、青年部長を経験した活動家出身です。太田氏が青年部長時代に共に活動した70代の学会員は、「太田は飲み食いを共にし、一緒に汗をかいた同志だよ。彼が党代表になった時、『あいつのために』と選挙を頑張った同年代の人間もたくさんいたよ」と語っています。
創価学会イベント
公明党の未来:新たなリーダーシップの確立が急務
過去のリーダーは、現場の学会員との強い繋がりを持ち、彼らを動かす力を持っていました。しかし、現在の公明党には、そのようなリーダーシップを発揮できる人材が不足していると言わざるを得ません。高齢化が進む学会員と、指導力不足の現状は、公明党の未来に暗い影を落としています。今後の公明党には、新たなリーダーシップの確立と、現場との繋がりを強化することが求められていると言えるでしょう。