歯医者さんは「コンビニより多い」と言われるほど身近な存在ですが、今、その数が急激に減っていることをご存知でしょうか?実は、2024年は歯医者の倒産・廃業件数が過去最多を更新する見通しとなっています。一体何が起こっているのでしょうか?この記事では、歯医者減少の背景にある深刻な事情を詳しく解説します。
高齢化が進む歯科医師、後継者不足が深刻な問題に
高齢の歯科医師のイメージ
帝国データバンクの調査によると、2024年1月から10月までの歯医者の倒産・廃業件数は既に過去最多を更新。休廃業・解散した歯科医院の代表者の平均年齢は70歳近くと、高齢化が深刻な問題となっています。「歯科医師は開業率が高い一方、高齢になっても続けられる方が多い」と語るのは、医療経営コンサルタントの山田一郎氏。高齢の歯科医師が引退する一方で、後継者不足も深刻化している現状が浮き彫りになっています。
経営環境の悪化、材料費高騰やマイナンバー導入も負担に
歯科医院の経営イメージ
歯科医院の倒産・廃業増加の背景には、経営環境の悪化も大きく影響しています。少子高齢化や予防歯科の普及により、患者数は減少傾向。加えて、銀などの歯科金属価格の高騰も経営を圧迫しています。「近年の歯科材料費の高騰は、多くの歯科医院にとって大きな痛手となっている」と、業界紙「デンタルタイムズ」編集長の佐藤花子氏は指摘します。さらに、マイナンバーカードに対応したシステム導入費用も負担となり、経営難に拍車をかけているのです。
過剰供給から適正化へ?今後の歯科医療はどうなる
虫歯治療イメージ
これまで「コンビニより多い」と言われていた歯医者ですが、倒産・廃業の増加により、過剰供給の状態から適正化に向かっているとも言われています。今後の歯科医療の展望について、山田一郎氏は「地域によっては歯科医師不足が懸念される一方、都心部では競争が激化し、より高度な専門性を持つ歯科医院が求められるようになるだろう」と予測しています。歯医者さんの数が減ることは、患者にとってどのような影響があるのでしょうか?今後の動向に注目が集まります。