【朝ドラ「おむすび」と平成J-POP】青春時代を彩った名曲たちが物語を紡ぐ

平成を舞台にしたNHK連続テレビ小説「おむすび」が話題を呼んでいます。ギャル文化やファッションだけでなく、劇中で流れるJ-POPにも注目が集まっているのをご存知ですか? 主人公・米田結の成長と、時代を象徴する音楽がどのようにリンクしているのか、その魅力を紐解いていきます。

平成ギャルの青春を彩った歌姫、浜崎あゆみ

「おむすび」には、平成を代表する数々の名曲が効果的に使われています。中でも印象的なのは、歩(仲里依紗)がカラオケで熱唱する浜崎あゆみの「Boys & Girls」。制作統括の宇佐川隆史氏によると、2000年代前半のギャルにとって浜崎あゆみは、今の演歌のような存在だったそう。歌詞に共感し、励まされたという当時のギャルたちの声を多く聞いたと語っています。「Boys & Girls」の歌詞にある「輝きだした 僕達を誰が止めることなど出来るだろう」というフレーズは、まさに自分の道を突き進もうとする結の姿と重なります。

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宇佐川氏は、脚本の根本ノンジ氏がこの曲を選んだ理由について、「ギャルマインドを表現するのに最適な曲だった」と説明。ドラマ制作チームでカラオケに行き、90年代の楽曲を歌いながら当時の熱気を感じたエピソードも明かしています。

神戸の街と安室奈美恵 with SUPER MONKEY’S「PARADISE TRAIN」

中学生時代の歩(高松咲希)と親友の真紀(大島美優)が一緒に聴いていたのは、安室奈美恵 with SUPER MONKEY’Sの「PARADISE TRAIN」。最先端の文化を取り入れる神戸の街と、新しいもの好きの真紀の性格を象徴する選曲と言えるでしょう。宇佐川氏は、真紀を「独自の“好き”を楽しむ神戸っ子」と表現しています。

震災後、歩が一人で聴いていたのは「TRY ME ~私を信じて~」。「あなたをつつむ 愛が待ってる」「あなたをみてる わたしを信じて」といった歌詞は、まるで天国の真紀からのメッセージのよう。当時、多くの人が安室奈美恵の楽曲に励まされたのではないでしょうか。

主題歌B’z「イルミネーション」と平成という時代

「おむすび」の主題歌、B’zの「イルミネーション」も重要な役割を果たしています。「君の1番好きな歌を聴きながら進もう」という歌詞は、まさに平成という時代を象徴するフレーズ。好きな音楽を聴きながら、自分の道を進んでいく。そんなメッセージが込められているように感じます。

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「おむすび」は、単なる青春ドラマではなく、平成という時代を音楽を通して描き出す作品と言えるでしょう。劇中で流れるJ-POPは、登場人物たちの心情を表現するだけでなく、視聴者の記憶を呼び覚まし、共感を生み出しています。栄養士を目指すことを決意した結の今後の活躍、そして物語を彩る音楽にも、引き続き注目していきたいですね。