韓国大学生が「日帝残滓」の石碑を破壊、昌原市立馬山博物館で抗議活動

旧朝鮮総督の文字が刻まれた石碑が、韓国の学生運動団体によって破壊される事件が発生しました。慶尚南道昌原市立馬山博物館に展示されていたこの石碑は、日本統治時代の遺物として「日帝残滓(日帝の残した滓)」とされ、韓国大学生進歩連合のメンバーらによって赤いスプレーで落書きされ、ハンマーで一部が破壊されました。

事件の概要と背景

2024年11月8日午後、馬山博物館の駐車場近くに展示されていた石碑が、4人の活動家によって破壊されました。慶尚南道馬山中部警察署は、集会およびデモに関する法律違反と器物損壊の容疑で、20代の男女4人を現行犯逮捕しました。この石碑は、日本統治時代の朝鮮総督、斎藤実が揮毫した「山明水清」と、当時の馬山府尹、板垣只二が揮毫した「水徳無疆」の文字が刻まれていました。

altalt(写真:朝鮮日報日本語版) 昌原市立馬山博物館の駐車場近くで石碑を破壊する韓国大学生進歩連合のメンバーたち。

この石碑は、1995年に山湖公園に移転され、その後2001年に馬山博物館の敷地内に移設、2022年には野外展示場整備事業の一環として土台と照明が設置されていました。しかし、地域社会では「日帝残滓」の保存をめぐって議論が続いており、博物館は運営諮問委員会を開き、支持台を撤去した上で花壇に移設する予定でした。

学生団体の主張と抗議活動

韓国大学生進歩連合は、この石碑を「日帝残滓」とみなし、その撤去を求めて抗議活動を展開していました。彼らはYouTubeで破壊の様子をライブ配信し、「日帝残滓を清算せよ」「親日売国の尹錫悦を弾劾しよう」などとシュプレヒコールを上げていました。逮捕された4人のうち、女性1人は大学生、もう1人は社会人であることが確認されていますが、男性2人は黙秘権を行使しています。

専門家の見解と今後の展望

歴史学者である金哲秀氏(仮名)は、「今回の事件は、韓国社会における歴史認識の複雑さを改めて浮き彫りにした」と指摘します。「植民地支配の歴史をどう向き合い、どう後世に伝えていくのか、国民的な議論が必要だ」と述べています。今回の事件は、韓国社会における歴史認識問題の根深さを示すものと言えるでしょう。今後の動向が注目されます。

altalt(写真:朝鮮日報日本語版) ハンマーで石碑を破壊する様子。

まとめ

日本統治時代の遺物である石碑の破壊事件は、韓国社会における歴史認識の対立を改めて浮き彫りにしました。今後、同様の事件が再発する可能性もあり、韓国社会の動向に注視する必要があります。