長崎への原爆投下から80年を迎えた9日、長崎市で執り行われた平和祈念式典において、歌手で俳優の福山雅治氏(56)が作詞・作曲を手がけた楽曲「クスノキ」が、地元児童たちの合唱により披露されました。この歌声は、被爆地の深い歴史と未来への希望を繋ぐメッセージとして、式典に参列した人々の心に深く刻まれました。
長崎平和祈念式典での「クスノキ」合唱に関連し、2023年11月に撮影された歌手で俳優の福山雅治氏の肖像。
「クスノキ」楽曲の背景と平和への祈り
長崎県出身である福山雅治氏が2014年に発表した「クスノキ」は、原爆によって一度は焼け焦げながらも、わずか2ヶ月後には再び芽吹き、現在では希望と平和の象徴となっている被爆樹木への深い思いを込めた作品です。この楽曲は、困難から立ち上がり再生する生命の力強さと、平和への願いを表現しています。
福山雅治が語る「クスノキ」に込めた思い
福山氏自身も、「クスノキ」が平和祈念式典という特別な場所で歌われることへの感慨を述べています。5日に放送されたNHK「クローズアップ現代」に出演した際、彼は「大変うれしく、そして自分が音楽を始めた時、ギターを握った時から、まったく想像していない現在地」と胸の内を明かしました。さらに、「僕がこの歌に込めた思いというのは、すべての命が等しく生きられる世界を願うというところなので、みなさんなりの解釈で、この歌を受け取ってもらって、その歌がつながっていくといいな。みなさんの思いが、また違う方に渡され、送られていくといいなっていうふうに思いますね」と語り、楽曲が持つ普遍的な平和へのメッセージが世代を超えて共有されることへの期待を滲ませました。
SNSで感動と共感が広がる
「クスノキ」の合唱が始まると、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上では瞬く間に感動と共感の声が広がりました。「いい歌だな…」「歌詞が沁みて泣いた」「合唱素晴らしかったです」「福山雅治見直した。素晴らしい歌手です。子供たちの合唱平和への誓いを感じる」といったコメントが相次ぎ投稿されました。また、「未来永劫、歌い継がれる名曲をありがとう、福山雅治さん」「この歌、すごい歌だね。控えめに言って最高。全世界にこれだけド直球な言葉で訴えられる人はなかなかいないよなぁ」「心に重く沁みましたねぇ…」など、楽曲の持つメッセージ性と影響力の大きさを称賛する声が多く見られました。「改めて、すごい楽曲。発売当時からこんな広がり方をすると思っていなかったけど、福山雅治といえばクスノキという世代も増えていくんだろうなあ」という、楽曲の世代を超えた定着を予感させるコメントも寄せられ、その深い感動が改めて浮き彫りになりました。
児童たちの歌声が響かせた平和への誓い
合唱を披露したのは、長崎市の城山小学校と山里小学校の児童約100人。彼らの澄んだ歌声は、被爆80年という節目の年における平和への強い願いを、会場全体に響かせました。合唱が終了すると、式典の出席者からは惜しみない大きな拍手が送られ、児童たちが退場を終えるまで拍手は鳴り止まず、深い感動と敬意が示されました。
結び
福山雅治氏の「クスノキ」が、長崎の平和祈念式典で児童たちの歌声によって響き渡ったことは、被爆の記憶と平和への願いを次世代へと繋ぐ重要な象徴となりました。この楽曲が持つ「すべての命が等しく生きられる世界を願う」というメッセージは、核兵器のない平和な未来を築くための希望の光として、これからも多くの人々に歌い継がれていくことでしょう。