ポスコ、韓国鉄鋼最大手が中国市場から撤退の動きを見せています。中国江蘇省にある唯一の製鉄所「張家港浦項不銹鋼(PZSS)」の売却を決定し、現在投資家を探しているとのこと。一体何がポスコをこの決断に導いたのでしょうか?この記事では、その背景や今後の展望について詳しく解説します。
中国市場撤退の真相:赤字経営と厳しい競争環境
ポスコの中国撤退の最大の理由は、PZSSの慢性的な赤字経営です。昨年はなんと200億円もの営業赤字を計上、ポスコの海外法人38社の中で最大の損失額となりました。中国経済の減速による建設用ステンレス鋼市場の低迷に加え、中国国内鉄鋼メーカーの供給過剰による価格競争激化が、PZSSの業績を圧迫していたのです。
alt中国江蘇省の鋼材加工センターで稼働する超高強度ハイテン材「ギガスチール」専門スリッター。POSCOも中国市場で激しい競争に晒されていた。
中国のステンレス鋼生産量は消費量を大幅に上回っており、供給過剰は深刻な問題となっています。鉄鋼業界アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「中国国内の鉄鋼メーカーによる過剰生産は、価格競争を激化させ、ポスコのような外資系企業の収益性を圧迫している」と指摘しています。
事業再編の一環:更なる海外事業所の売却も?
今回のPZSS売却は、ポスコが今年7月に発表した大規模な事業再編の一環とされています。低収益事業や非中核資産の整理を進める中で、PZSSが最初の売却対象となりました。現在、ポスコの海外法人38社のうち13社が赤字となっており、PZSSに続いて更なる売却が行われる可能性も高いと見られています。
米中貿易摩擦の影響も?
一部では、米中貿易摩擦の激化もポスコの決断に影響を与えたとの見方もあります。トランプ次期米大統領が中国製鉄鋼への高関税を表明している中、中国市場での事業継続に不透明感が増していることは否めません。
alt火災に見舞われたポスコ浦項製鉄所。様々な困難に直面している。
今後の展望:ポスコの戦略転換に注目
中国市場からの撤退は、ポスコにとって大きな戦略転換となるでしょう。今後、同社はどの市場に注力し、どのような成長戦略を描いていくのか、注目が集まります。
この記事で紹介したポスコの中国撤退は、世界経済の動向を反映した重要な出来事です。今後の展開に注目し、jp24h.comで最新情報を入手してください。