サイコパスは出世しやすい? 権力の座に潜む闇を解き明かす

権力と悪、切っても切れない関係のように思えるこの2つ。横暴な上司、不正に手を染める政治家…なぜ悪人が権力の座に就きやすいのか、進化論、人類学、心理学の観点から紐解いていきます。

悪の権化? サイコパスと権力の関係

連続殺人犯などの凶悪犯罪者とサイコパスを結びつけるイメージは強いでしょう。しかし、専門家の見解は異なります。彼らは、刑務所にいるサイコパスは「しくじった」サイコパスだと指摘します。衝動を抑えきれなかったり、仮面を剥がされたりした結果が逮捕なのです。

alt サイコパスは社会に潜んでいることをイメージする画像alt サイコパスは社会に潜んでいることをイメージする画像

真に恐ろしいのは、社会に巧妙に溶け込み、権力の階段を上り詰める「スーツを着たヘビ」のようなサイコパスです。彼らの中には、企業の幹部、政治家、金融業界のトップに君臨する者もいるかもしれません。ある調査によると、企業幹部におけるサイコパスの割合は、一般人口の約20倍にも及ぶという結果も出ています。

ダークトライアド:権力への階段を駆け上がるための武器

サイコパスが権力の座を手に入れる上で、ダークトライアドと呼ばれる3つの特性(マキャヴェリズム、ナルシシズム、サイコパシー)が重要な役割を果たします。

採用面接を想像してみてください。応募者は、いかに魅力的で、カリスマ性があり、好感度が高いかをアピールします。自信に満ち溢れ、どんな質問にも的確に答える人物は、採用担当者に好印象を与え、採用へと繋がる可能性が高まります。

これらの特性は、まさにダークトライアドそのもの。巧みな話術と自信に満ちた態度は、周囲を魅了し、昇進のチャンスも掴みやすくなります。

なぜ私たちは悪人に権力を与えてしまうのか?

私たちは、自信に満ちた人物にリーダーシップを感じ、権力を委ねがちです。しかし、その自信がダークトライアドに基づくものだった場合、組織や社会にとって大きなリスクとなります。

著名な心理学者の田中博士(仮名)は、「私たちは、外見的な魅力や自信に惑わされず、その人物の真の人格を見抜く努力をしなければならない」と警鐘を鳴らしています。

権力の罠から逃れるために

権力を持つものは、常に倫理観を保ち、自らを律する必要があります。同時に、私たちも権力者に盲目的に従うのではなく、批判的な目で監視し、不正を許さない姿勢を持つことが重要です。

権力と悪の連鎖を断ち切るためには、個々の意識改革と社会全体の努力が不可欠です。