ボイストレーニング教室講師、準強制わいせつ罪で無罪主張 人気講師への信頼と夢を悪用か?

人気ボイストレーニング教室「X」の元講師が、生徒への準強制わいせつ罪で起訴され、東京地裁で初公判が開かれました。被告人は無罪を主張しており、夢を追い求める若者の信頼を裏切ったとされる事件の真相が注目されています。

人気講師によるわいせつ行為疑惑 被害者は何を語ったのか

2021年8月、新宿校で当時人気講師だった40代の男が、ボイストレーニングを装って生徒の男性Aさん(当時22歳)の下半身を触るなどのわいせつ行為をした疑いが持たれています。被告人は「同意があった」「抗拒不能の状態ではなかった」として無罪を主張しています。

altalt東京地裁の様子 (イメージ画像)

Aさんの調書によると、彼は被告人を人気講師として信頼し、指名料を払ってレッスンを受けていました。被告人のアドバイスで鼻の手術を受けたこともあり、信頼はさらに深まっていたといいます。 有名音楽プロデューサーのB氏(仮名)は、「指導者と生徒の間には強い信頼関係が築かれることが多く、生徒は指導者の言葉や行動を絶対視してしまう傾向がある」と指摘しています。

「セクシー俳優の真似で抑揚がつく」指導の真偽は

Aさんは、被告人から「抑揚をつける」「表現力をつける」「人前で歌うことの恥じらいをなくす」という3つの課題を与えられ、最初の課題に対して「セクシー俳優の真似をすると抑揚が出る」と指導されたと証言しています。被告人は、他の生徒にも同様のレッスンをしており、学校もそれを認識しているとAさんに伝えていたようです。

Aさんは被告人の言葉を信じ、レッスンを受けることで歌が上手くなると信じていたと述べています。 歌唱指導の専門家C氏(仮名)は、「抑揚や表現力を身につけるための方法は様々だが、セクシー俳優の真似をするという指導法は一般的ではない。生徒の個性や特性に合わせた指導が重要である」と語っています。

被害者Aさんの調書からは、被告人を信頼し、その指導を信じていた様子が伺えます。 夢を追いかける若者の純粋な気持ちにつけ込んだ卑劣な犯行だとすれば、決して許されるものではありません。今後の裁判の行方によっては、ボイストレーニング業界全体への信頼にも影響が出かねません。

裁判の行方と業界への影響

この事件は、ジャニーズ事務所の性加害問題と同様に、夢を追う若者の弱みにつけ込んだものとして注目されています。Aさんは「先生が言うのだから、上達するんだ、変われるんだと思い我慢した」と心境を明かしており、指導者と生徒間の権力関係が背景にある可能性も指摘されています。

今後の裁判で、事件の真相が明らかになることが期待されます。また、この事件を契機に、ボイストレーニング業界全体で、生徒の安全を守るための対策が強化されることが望まれます。