宮中晩餐会といえば、華やかなドレスや煌びやかなティアラを想像する方も多いでしょう。2019年5月、令和初の国賓として来日したトランプ大統領夫妻を迎えた晩餐会。皇后雅子さまは美しいドレス姿を披露されましたが、ティアラは着用されていませんでした。他の女性皇族も同様でした。一体なぜでしょうか?この記事では、その理由や晩餐会の装いについて詳しく解説します。
トランプ大統領晩餐会:雅子皇后のエレガントな装い
令和最初の国賓として、トランプ大統領夫妻が来日した2019年5月27日。皇居・宮殿「豊明殿」で盛大な晩餐会が催されました。雅子皇后は淡いベージュのロングドレスに、繊細なレースのジャケットという上品な装いで登場されました。
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長年パリコレを取材してきたファッション評論家の石原裕子氏(仮名)は、「雅子皇后のレースジャケットは、フランスの貴婦人たちに愛されたシャンテリーレースのよう。極薄で緻密な意匠が素晴らしい。レースに織り込まれた薔薇はアメリカの国花であり、相手国への配慮が感じられます」と語っています。一見控えめながらも、細部にまでこだわりが詰まったエレガントな装いでした。
メラニア夫人も、羽の刺繍が施された着物風のケープドレスで、雅子皇后と共に優雅な雰囲気を醸し出していました。
ティアラ不在の理由:国際儀礼に基づく慣習
晩餐会といえばティアラ、というイメージがありますが、この晩餐会では雅子皇后をはじめ女性皇族はティアラを着用していませんでした。その理由は、国際儀礼に基づく慣習にあります。
一般的に、宮中晩餐会の主賓が王族でない場合、皇室側も勲章とティアラは着用しないことになっています。今回の主賓はアメリカ大統領であり王族ではないため、ティアラは着用されなかったのです。
王族を迎えた晩餐会との違い
王族が主賓の場合は、ティアラが着用されます。例えば、2014年にオランダ国王夫妻を迎えた宮中晩餐会では、当時の皇太子妃雅子さまはティアラを着用されていました。このように、主賓が王族か否かで装いが変わるのです。
宮中晩餐会のドレスコード:格式高い正装
宮中晩餐会は、国賓をもてなす最高級の場。ドレスコードも厳格に定められています。男性は夜間略式礼装の「タキシード」、女性はロングドレスやイブニングドレスが一般的です。天皇陛下やトランプ大統領も、黒の蝶ネクタイのタキシードで晩餐会に出席されました。
まとめ:伝統と格式を重んじる宮中晩餐会
トランプ大統領夫妻を迎えた宮中晩餐会では、雅子皇后はティアラこそ着用されませんでしたが、繊細なレースのジャケットを合わせたエレガントなドレスで、日本の皇后としての品格を示されました。ティアラの有無は、国際儀礼に基づく慣習によるものであり、決して軽視しているわけではありません。宮中晩餐会は、日本の伝統と格式を重んじる場であることを改めて認識させられます。