中国の最新鋭ステルス戦闘機「殲35」、珠海航空ショーで初公開!その実力と背景を読み解く

中国広東省珠海市で開催された中国国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)で、新型ステルス戦闘機「殲35(J-35)」がついにベールを脱ぎました。2024年11月12日から17日までの会期中、最新鋭兵器の数々が一般公開され、中国の軍事力を見せつける場となりました。本記事では、殲35の初公開の模様とその背景にある中国の軍事戦略について詳しく解説します。

殲35、鮮烈なデビューを飾る

珠海航空ショーの会場上空に突如現れた殲35。短時間ではありましたが、高度を上げるパフォーマンスを披露し、その存在感を強く印象づけました。空母艦載機としての運用や輸出も想定されているこの機体は、まさに中国の航空技術の結晶と言えるでしょう。会場には模型も展示され、多くの来場者がその姿に見入っていました。開発者は中国メディアの取材に対し、「多くの領域で進歩と革新を成し遂げた」と自信に満ちたコメントを残しています。

中国国際航空宇宙博覧会で飛行する中国の新型ステルス戦闘機「殲35」中国国際航空宇宙博覧会で飛行する中国の新型ステルス戦闘機「殲35」

米国に次ぐ、2機種目のステルス戦闘機

中国メディアによると、殲35の配備により、中国は米国に続いて2種類のステルス戦闘機を運用する国となります。すでに実戦配備されている「殲20(J-20)」との連携により、中国空軍の戦闘力は飛躍的に向上すると予想されます。軍事専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「殲20と殲35の組み合わせは、周辺国にとって大きな脅威となるだろう」と指摘しています。

ミサイル防衛システム「紅旗19」も初公開

殲35だけでなく、弾道ミサイル防衛システム「紅旗19(HQ-19)」も今回初めて一般公開されました。米軍のTHAADに匹敵する性能を持つとされ、通常の弾道ミサイルだけでなく、極超音速兵器にも対応可能と中国メディアは報じています。防衛システムの強化は、中国の安全保障戦略における重要な要素と言えるでしょう。

ステルス無人機やロシア戦闘機も登場

会場では、ステルス無人機「彩虹7(CH-7)」の実機も初公開。さらに、ロシアの最新鋭ステルス戦闘機「Su-57」も登場し、中露間の軍事協力の強さをアピールしました。

台湾情勢と中国の軍事力増強

中国は核弾頭搭載可能なステルス戦略爆撃機の開発も進めているとされ、習近平国家主席は「世界一流の軍隊」建設を目指しています。武力による台湾統一の可能性も排除しておらず、最新兵器の開発は、台湾を支援する米国への牽制とも捉えられています。

中国初の国産中型ジェット旅客機「C919」中国初の国産中型ジェット旅客機「C919」

珠海航空ショー、中国の航空技術を世界に発信

隔年開催の珠海航空ショーは、中国を代表する航空イベントです。2023年に商業運航を開始した国産中型ジェット旅客機「C919」も展示され、中国の航空技術の進歩を世界に示しました。

まとめ

今回の珠海航空ショーは、殲35をはじめとする最新兵器の公開を通して、中国の軍事力増強を改めて世界に知らしめる機会となりました。今後の中国の軍事動向、そして国際社会への影響に注目が集まります。