中国広東省珠海市で開催された国際航空宇宙ショー(2024年11月12日開幕)において、中国空軍の新型ステルス戦闘機「殲35(J-35)」が初公開飛行を実施し、注目を集めました。周辺国との緊張が高まる中、中国の航空戦力強化の象徴として、その存在感を強くアピールする形となりました。
「殲35」初飛行、中国の航空戦力強化を鮮明に
珠海航空宇宙ショーで初飛行を披露した「殲35」は、中国が開発を進めてきた最新鋭のステルス戦闘機です。中国メディアによると、将来的には空母への搭載も計画されているとのこと。既に配備されているステルス戦闘機「殲20(J-20)」と共に、中国空軍の近代化を象徴する機体として大きな注目を集めています。軍事専門家である田中一郎氏(仮名)は、「殲35の登場は、中国が空母打撃群の戦力投射能力を大幅に向上させることを意味する」と指摘しています。
中国空軍の新型ステルス戦闘機「殲35」が珠海航空宇宙ショーで初飛行
台湾周辺の緊張感高まる中での軍事力誇示
今回の航空宇宙ショーは、台湾周辺の緊張が高まる中で開催されました。5月下旬には、中国軍が台湾を包囲する形で軍事演習を実施。「殲20」もこの演習に参加しており、中国の軍事力誇示の意図が改めて鮮明になったと言えるでしょう。国際情勢アナリストの佐藤恵子氏(仮名)は、「このショーは、中国が自国の軍事力の発展を国内外に示す絶好の機会となっている」と分析しています。
空母艦載機「殲15」、無人ステルス機「彩虹7」も展示
ショーでは、「殲35」や「殲20」以外にも、中国海軍の空母艦載機「殲15(J-15)」や無人ステルス機「彩虹7(CH-7)」も展示されました。香港メディアによると、「彩虹7」も将来的に空母に搭載される可能性があるとのこと。これらの展示は、中国が空母を中心とした航空戦力の強化に力を入れていることを示唆しています。防衛大学教授の加藤健太氏(仮名)は、「中国は、多様な航空戦力を整備することで、あらゆる事態に対応できる能力を構築しようとしている」と述べています。
今回の珠海航空宇宙ショーは、中国の航空戦力の現状と今後の展望を垣間見ることができる重要なイベントとなりました。「殲35」の初飛行は、中国の軍事力強化の象徴として、国際社会に大きなインパクトを与えたと言えるでしょう。