外国人運転免許切り替え殺到の現状:日本の道路は大丈夫?

近年、日本の運転免許への切り替えを目指す外国人が急増し、免許センターでは長蛇の列が日常風景となっています。徹夜で並ぶ人々もいるほど、この現象は一体なぜ起こっているのでしょうか?そして、日本の交通安全にどのような影響を与えているのでしょうか?この記事では、外国人運転免許切り替えの現状と課題、そして私たちの安全を守るための対策について考えていきます。

なぜ外国人は日本の免許を求めるのか?

外国人が日本の運転免許を求める大きな理由は、「外免切替」制度の存在です。この制度を利用すれば、自国の免許を日本の免許に切り替えることができます。近年、外国人労働者の確保や観光振興を目的として、この制度の取得条件が緩和され、対応言語も大幅に増加しました。例えば、神奈川県警察運転免許センターや大阪府の門真運転免許試験場では、予約が数ヶ月待ちという状況も発生しています。

府中免許試験場の外で開門を待つ外国人たち。府中免許試験場の外で開門を待つ外国人たち。

自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏は、「一部の外国人は、日本の免許を国際免許取得の踏み台として利用している」と指摘します。中国のように国際的な交通条約に加盟していない国では、自国免許で運転できる国は限られています。しかし、日本の免許に切り替え、国際免許を取得すれば、世界100カ国以上で運転が可能になるのです。

簡単すぎる学科試験、そして増加する交通事故

外免切替制度には、いくつかの課題も指摘されています。その一つが、学科試験の難易度です。現状では、二択問題10問中7問正解すれば合格となるため、必要な知識が十分に問われているとは言えません。運転マナーや交通ルールなど、安全運転に必要な知識を網羅的に学ぶ機会が不足している可能性があります。

歩道橋の下で待つ外国人たち歩道橋の下で待つ外国人たち

さらに、外国人による交通事故の増加も懸念されています。特に中国人による交通事故は増加傾向にあり、昨年はコロナ以降最多となる1571件が発生しました。飲酒運転や速度超過など、重大な事故も発生しており、対策が急務となっています。

日本の交通安全を守るために

外免切替制度は、外国人労働者の受け入れや観光振興に貢献する一方で、交通安全上の課題も抱えています。より安全な道路環境を実現するためには、以下のような対策が重要です。

学科試験の充実

学科試験の内容を充実させ、安全運転に必要な知識を確実に習得できるようにする必要があります。例えば、問題数を増やす、実践的な問題を取り入れる、多言語対応をさらに強化するといった対策が考えられます。

技能試験の厳格化

技能試験においても、より厳格な基準を設けることで、運転技能の向上を図る必要があります。例えば、試験コースの難易度を上げる、試験官の研修を強化するといった対策が考えられます。

交通安全教育の強化

外国人ドライバーに対する交通安全教育を強化することも重要です。母国語での教材提供や、交通ルールの説明会などを実施することで、交通安全意識の向上を図る必要があります。

日本の道路の安全を守るためには、制度の見直しや教育の強化など、多角的な対策が必要です。外国人ドライバーと日本人ドライバーが共に安全に道路を利用できる社会を目指し、関係機関の連携強化が求められています。