日本の運転免許証が、外国人、特に中国人観光客の間で注目を集めている。その理由は、驚くほど簡単な切り替え手続きと、取得した免許証で100カ国以上で運転できるというメリットだ。 一体何が起こっているのか、府中運転免許試験場の現状をレポートする。
府中運転免許試験場の現状
武蔵小金井駅からバスに乗ると、車内はほとんど中国人観光客の若者で埋め尽くされていた。そして、全員が府中運転免許試験場で下車。試験場前には、大型テントが５つも設置され、100人を超える中国人が長蛇の列を作っていた。まるで異国の地のようだった。
府中運転免許試験場前に並ぶ中国人
列に並んでいる中国人カップルに話を聞くと、中国語で書かれた過去問を見せてくれた。なんと、10問中7問正解すれば合格で、設問もすべて中国語だという。
簡単すぎる試験内容
試験内容は驚くほどシンプルで、「小学校が近くにあれば通学児童に注意する」「止まれ STOPと表示があれば止まる」といった基本的な〇×問題が出題される。彼らは「視力検査だけが関門」と口を揃えていた。
中国語で書かれた試験問題
この状況は、岸田政権が昨年11月に打ち出した外国人への門戸開放策、つまり免許切り替えの緩和が背景にある。この政策によって、多くの中国人が日本の運転免許証取得を目指して来日しているのだ。 自動車教習所の関係者、佐藤氏（仮名）は「確かに外国人向けの教習は増加傾向にありますが、安全運転の意識向上も同時に図ることが重要です」と語る。
中国人ドライバーによる事故増加の懸念
一方で、懸念されるのは中国人ドライバーによる交通事故の増加だ。日本の交通ルールやマナーを十分に理解しないまま運転することで、事故のリスクが高まる可能性がある。 交通安全コンサルタントの田中氏（仮名）は、「文化や交通ルールの違いを理解するための教育プログラムの導入が急務」と指摘する。
まとめ
日本の運転免許証の切り替え手続きの容易さが、中国人観光客の注目を集めている。しかし、安全運転の意識向上と事故防止対策の強化が不可欠だ。 より安全な交通環境の実現に向けて、関係機関の迅速な対応が求められる。
