少子化が進む中でも、都内私立進学校の合格実績が伸びている。特に、かつて女子校だった三田国際学園、広尾学園、渋谷教育学園渋谷の3校は、共学化をきっかけに東京大学、早稲田大学への合格者を飛躍的に増やしている。今回は、これらの躍進の背景にある秘密を探ります。
共学化が成功の鍵!
20年前と比較すると、三田国際学園、広尾学園、渋谷教育学園渋谷の東大・早稲田合格者数は驚異的な伸びを見せています。この躍進の背景には、3校に共通する「共学化」という戦略があります。森上教育研究所所長、森上展安氏によると、都内では男女別学の進学校が主流の中、共学化によって新たな需要を掘り起こしたことが成功の要因とのことです。
広尾学園の正門
渋谷教育学園渋谷の成功モデル
渋谷教育学園渋谷の学園長、田村哲夫氏は、共学化の先駆者と言えるでしょう。麻布中学校・高等学校から東京大学法学部へと進んだ秀才である田村氏は、まず渋谷教育学園幕張で成功を収め、そのモデルを渋谷女子高等学校(現:渋谷教育学園渋谷)にも適用しました。帰国子女の積極的な受け入れ、多様な価値観を認め自分で考える「自調自考」の教育方針、そして6年間の学習目標を明確にしたシラバスの導入など、革新的な取り組みが多くの家庭の支持を集めています。
グローバル教育で人気を集める三田国際、広尾学園
三田国際学園と広尾学園は、国内大学だけでなく、海外大学への進学にも力を入れています。プリンストン大学やダラム大学など、世界の名門大学への合格者を輩出している実績が、国際教育に熱心な家庭から高い評価を得ています。英語による授業やテスト、海外の学校との提携、留学制度など、グローバル教育を重視したカリキュラムが、国内大学受験にも好影響を与えていると言えるでしょう。特に、インターナショナルスクールが多い用賀や広尾という立地も、両校の人気を高める要因となっています。
胴上げされている生徒
共学進学校の未来
三田国際学園、広尾学園、そして渋谷教育学園渋谷。これらの共学進学校は、従来の進学校とは異なる独自の教育方針で、目覚ましい成果を上げています。今後、日本の教育界をリードしていく存在となる可能性を秘めていると言えるでしょう。