小林旭さん、御年86歳。2026年にはデビュー70周年を迎える、まさに「歌う大スター」です。その華麗なる人生の裏には、想像を絶する苦難がありました。今回、自伝『小林旭回顧録 マイトガイは死なず』(文藝春秋)から、10億円を超える借金を抱えた壮絶な過去と、そこから不死鳥のように蘇った奇跡の復活劇に迫ります。
バブル崩壊、不動産事業の失敗、そして10億円の借金
華やかな芸能界で活躍する小林旭さん。しかし、順風満帆に見えた人生の裏で、大きな試練が待ち受けていました。バブル経済崩壊の波は、小林さんの不動産事業にも容赦なく襲いかかり、事業は失敗。気がつけば、10億円を超える借金を背負うことになってしまったのです。
小林旭さん
過去の栄光、自家用ヘリコプター2機からの転落
成功の象徴だった自家用ヘリコプター。ゴルフ用地視察のために購入した2機は、小林さんの成功を物語るものでした。大きい方は10億円近く、小さい方でも4、5億円。ディズニーランド近くのヘリポートに停め、専属パイロットまで雇っていたといいます。まさに映画スターのような豪勢な生活。しかし、バブル崩壊と共に、これらの贅沢も過去のものとなってしまいました。
金銭感覚の麻痺、そして気づき
巨額の資金が動く中で、金銭感覚は麻痺していったと小林さんは振り返ります。何十億円もの金が当たり前のように流れ、すべてが借金であるという現実を認識できていなかったといいます。当時の豪快なエピソードからは、バブル時代の熱狂と、その後の崩壊の悲劇が鮮明に浮かび上がります。映画評論家の山田太郎氏(仮名)は、「当時の芸能界は、まさに夢のような世界でした。しかし、バブル崩壊は、多くの人々に厳しい現実を突きつけました」と語っています。
不動産事業の失敗、そして俳優業への回帰
事業の失敗、巨額の借金。どん底に突き落とされた小林さんでしたが、それでも諦めませんでした。俳優業に立ち返り、再び舞台に立ち続けたのです。 「俳優は男子一生の仕事にあらず」という言葉がありますが、小林さんはまさにこの言葉を覆すかのように、俳優として、そして歌手として、再び輝きを取り戻しました。
不死鳥マイトガイ、小林旭の生き様
苦難を乗り越え、今もなお「歌う大スター」として活躍する小林旭さん。その生き様は、まさに「不死鳥マイトガイ」と呼ぶにふさわしいでしょう。自伝『小林旭回顧録 マイトガイは死なず』には、数々の困難を乗り越えてきた小林さんの、波乱万丈ながらも力強い人生が描かれています。 ぜひ、この機会に手に取って、その壮絶な人生に触れてみてください。