三笠宮妃百合子さまの逝去を受け、宮内庁は15日午前11時ごろ記者会見を開き、永井良三・皇室医務主管らが経過を説明した。百合子さまは3月に聖路加国際病院(東京都中央区)に入院し、療養を続けていたが、心臓や腎臓の機能が徐々に弱まり、同日早朝に血圧が低下。医療スタッフらに見守られ、穏やかに息を引き取ったという。
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永井氏の説明によると死因は老衰。百合子さまは脳梗塞(こうそく)などで3月に入院し、日々30分~1時間ほど車いすに移ってリハビリに取り組んでいた。8月中旬に肺炎と診断され、一時集中治療室で過ごしたが、9月上旬からは一般病棟の個室に戻り、先週ごろまでリハビリに取り組んでいたという。
ただ、11月7日の検査で心臓や腎臓の機能が低下していることが判明。孫の彬子さまや高円宮妃久子さまら親族が連日病院にお見舞いに訪れていたが、今週に入り、声かけに目を開けてうなずく時間が少なくなっていた。永井氏は百合子さまの晩年について「新聞をお読みになるなど色々なことに関心を持たれ、とてもしっかりしていた。長期療養による影響も非常に少なく、リハビリの効果」と語り、最期の瞬間も「特にお苦しみになることはなかった」と明かした。
天皇、皇后両陛下は15日正午すぎ、弔問のため三笠宮邸を訪問。皇后雅子さまは黒い帽子と洋服を身につけており、両陛下とも厳粛な表情で赤坂御用地に入門した。その後、上皇ご夫妻や秋篠宮ご一家、両陛下の長女愛子さまも相次いで三笠宮邸を訪れた。(中田絢子)
朝日新聞社