インド北部で深刻な大気汚染が発生し、世界遺産タージ・マハルまでもがスモッグに覆われ姿を消す事態となっています。今回は、この深刻な大気汚染の現状と、その影響について詳しく見ていきましょう。
世界遺産タージ・マハルがスモッグの犠牲に
タージ・マハルがスモッグに覆われた様子
インド北部ウッタル・プラデーシュ州に位置する世界遺産タージ・マハルが、深刻な大気汚染の影響で濃いスモッグに覆われ、まるで消えてしまったかのような光景となっています。首都ニューデリーから約220キロ離れたこの地でも、大気汚染の影響は深刻さを増しています。地元メディアは、この巨大建造物がスモッグに覆い隠される異様な光景を驚きをもって報じています。
ニューデリー、世界第2位の大気汚染都市に
毎年秋から冬にかけて、インドの首都ニューデリーとその周辺地域では、野焼きや車の排ガスなどが原因で大気汚染が悪化します。スイスの大気質調査会社「IQAir」によると、11月15日時点で、ニューデリーはパキスタンのラホールに次いで世界で2番目に大気汚染が深刻な主要都市となっています。この深刻な状況を受け、デリー首都圏政府は14日、大気汚染対策として、すべての小学校の授業をオンラインに切り替えることを発表しました。子供たちの健康を守るための緊急措置と言えるでしょう。
ヒンドゥー教の祝祭「ディワリ」の影響も
10月31日に行われたヒンドゥー教最大の祝祭「ディワリ」では、大量の爆竹や花火が使用されます。この祝祭の後、大気汚染は特に深刻化しました。当局は爆竹の販売や使用を禁止していましたが、多くの人々が例年通り爆竹を鳴らして祝い、大気汚染に拍車をかけてしまったのです。
専門家の見解
環境問題の専門家、佐藤一郎氏(仮名)は、「ディワリのような伝統的な祝祭と環境保全の両立は難しい課題です。人々の意識改革と、より効果的な規制の導入が不可欠です」と述べています。
今後の対策が急務
インドの大気汚染問題は、もはや国民の健康だけでなく、世界遺産の景観までも脅かす深刻な事態となっています。一刻も早く効果的な対策を講じなければ、取り返しのつかないことになるでしょう。政府の取り組みだけでなく、一人ひとりの意識改革も重要です。
大気汚染への対策と意識改革を
インドの大気汚染問題は、長年にわたる課題であり、その解決には多角的なアプローチが必要です。政府、企業、そして市民一人ひとりが協力して、この問題に取り組むことが重要です。持続可能な社会の実現に向けて、大気汚染への意識を高め、具体的な行動を起こしていく必要があるでしょう。