【カムカムエヴリバディ再放送】コロナ禍を乗り越えた希望の物語、再び!

2021年後期に放送され、大きな反響を呼んだNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。3年経った今でも多くのファンに愛され、再放送を望む声が絶えませんでした。そしてついに、2024年11月18日より再放送がスタート! 100年にわたる家族の物語、激動の時代を生き抜いた3世代のヒロインたちの姿は、現代社会を生きる私たちに何を語りかけてくれるのでしょうか? 本記事では、制作統括の堀之内礼二郎氏へのインタビューを元に、「カムカムエヴリバディ」の魅力を改めて紐解いていきます。

コロナ禍が生んだ奇跡のラストシーン

「カムカムエヴリバディ」の制作は2019年に開始されました。脚本は、全プロットを書き上げてから撮影に臨むという、藤本有紀氏のこだわりが詰まった作品です。しかし、制作途中で世界を襲った未測の事態、新型コロナウイルス感染症のパンデミック。当初の予定通りに物語を進めることは困難を極めました。

中でも大きな変更を余儀なくされたのが、ラストシーン。ひなたが幼い頃に言えなかった英語のフレーズを、未来で流暢に話すという感動的な結末は当初から決まっていましたが、その日付設定が大きな課題となりました。現実世界でコロナ禍が終息する見通しが立たない中、2022年春に設定すると、登場人物全員がマスク着用という状況に。

そこで制作陣は、未来への希望を込めて、ラストシーンを「2025年春、コロナ禍を乗り越えた未来」に設定することを決断。虚無蔵やひなたがマスクをするシーンを挿入することで、現実世界と物語の世界をリンクさせ、より深い共感を生み出すことに成功しました。

ひなたと回転焼きひなたと回転焼き

制作統括・堀之内氏の想い

堀之内氏は、コロナ禍という困難を乗り越え、作品を完成させたことで、「『カムカム』はコロナ禍があったからこそ、『カムカム』になった」と語っています。まさに、時代が生んだ奇跡のドラマと言えるでしょう。

伏線回収の妙技と再放送の新たな意味

「カムカムエヴリバディ」は、緻密に仕掛けられた伏線と見事な回収が話題となりました。制作陣は、意図的に驚かせるためではなく、100年の物語の中で自然と生まれた出来事の繋がりを表現することを目指したといいます。人生を振り返った時、点と点が線で繋がるような、そんな不思議な感覚を味わえる作品です。

そして、今回の再放送は、ある意味「最後の伏線回収」と言えるかもしれません。制作当時、コロナ禍の終息が見えない中で描かれた「2025年の春」は、現実世界で実現しようとしています。マスクを外し、笑顔で未来を語り合う登場人物たちの姿は、私たちに希望と勇気を与えてくれるでしょう。

朝ドラの力、生きる希望

堀之内氏は、朝ドラに携わる中で、ある忘れられないエピソードを語っています。病院で取材をした際、多くの患者さんが朝ドラを見ていたそうです。看護師さんによると、「明日の朝ドラの続きが見たいから、今日の手術をがんばろう」という思いで見ている患者さんもいるとのこと。

この話を聞いた堀之内氏は、「最終回を見るまでは絶対に生きたい」と思ってもらえるような作品を作りたいと強く思ったそうです。朝ドラが、誰かの生きる希望になっている。この事実は、制作陣にとって大きな励みであり、責任感にも繋がっているのでしょう。

カムカムファミリーは今も生きている

作中では、朝ドラフリークの雪衣が、病室で「てるてる家族」の最終回を見て亡くなるシーンがありました。堀之内氏にとって、「カムカムエヴリバディ」の登場人物たちは今も生き続けているそうです。ジョーはるいもひなたもアニーも、きっと今もどこかで朝ドラを見ていることでしょう。

離れていても、朝ドラを通じて繋がれる。これは朝ドラならではの魅力であり、カムカムファミリーの絆を象徴するエピソードと言えるでしょう。

あなたは一人じゃない

最後に、堀之内氏から再放送を楽しみにしている視聴者へのメッセージです。コロナ禍で孤独や分断を感じている人たちに、「あなたはひとりじゃないよ」ということを改めて伝えたいと語っています。100年の歴史を紡いできた「カムカムエヴリバディ」は、私たちに「今」という瞬間の大切さを教えてくれます。

明るい未来を願い、力強く生きてきた登場人物たちの姿は、きっと私たちの心に希望の光を灯してくれるでしょう。この再放送を通して、多くの人が「ひなたの道」を見つけられますように。