近年、韓国への日本人留学生が急増しています。韓国観光公社の統計によると、2023年に韓国を訪れた留学・研修目的の日本人入国者は過去最多の1万3500人を記録。2024年も9月時点で既に1万2000人を超え、更なる記録更新が確実視されています。韓国外国語大学のイ・チャンミン教授によると、同大学の日本人留学生数も2年前の58人から今年は146人に増加したとのことです。
なぜ韓国留学が人気? 日本人学生を惹きつける魅力
韓国ブームの影響もあり、K-POPや韓国ドラマといったエンターテイメントだけでなく、韓国文化や社会への関心が高まっていることが背景にあります。 実際に韓国で学ぶことで、生きた韓国語を習得できるだけでなく、多様な文化に触れ、国際的な視野を広げられる点が魅力となっています。
韓国の街並み
韓国で就職を希望する日本人留学生の現状と課題
多くの日本人留学生は韓国での就職を希望していますが、現状は容易ではありません。韓国企業で外国人事務職を採用する企業はごく少数に限られています。一方、日本では企業の40%が外国人留学生を採用しているという現状を考えると、大きな隔たりがあります。韓国で就労ビザ(E-7)を取得するには、企業は一定額以上の年俸を支給する必要があり、これが中小企業にとって大きな負担となっているようです。
ビザ取得の難しさ
E-7ビザ取得の条件として、企業は前年度の国民1人当たりGNIの80%に当たる額以上の年俸を支給しなければなりません。これは2023年基準で3524万ウォンに相当しますが、韓国の中小企業の大卒新入社員の平均年俸は2600万~3000万ウォン程度にとどまっているため、ビザ取得のハードルが高いのが現状です。
韓国における若年層の雇用問題
韓国では15~29歳の青年層失業率は5.1%ですが、潜在的な失業者も含めた拡張失業率は24.5%にものぼります。深刻な若年層の雇用問題を抱える一方で、2028年からは経済活動人口と就業者数が減少に転じ、2032年までに約89万4000人の追加人材が必要になると予想されています。このままでは、日本と同様に深刻な労働力不足に直面することは避けられないでしょう。
韓国ウォン
日韓の未来:若者交流による新たな活力の創出
2025年は日韓国交正常化60周年を迎えます。これを機に、両国の若者が相互の労働市場へよりスムーズにアクセスできる特別なルートを設けることが重要です。日韓の若者は専門知識や技術を持つホワイトカラー労働者であり、不法滞在のリスクも低いと考えられます。また、両国の経済力も近く、賃金格差もそれほど大きくありません。日韓の若者が互いの労働市場に自由にアクセスできる環境が整備されれば、両国経済に新たな活力を吹き込む原動力となるでしょう。
相互交流の促進
両国政府は、若者交流を促進するための具体的な施策を検討する必要があります。例えば、ワーキングホリデービザの発給枠拡大や、日韓企業間のインターンシッププログラムの拡充などが考えられます。
まとめ:未来への展望
日韓の若者交流は、両国の経済活性化だけでなく、相互理解と友好関係の深化にも大きく貢献するはずです。未来志向の視点に立ち、若者たちが国境を越えて活躍できる環境を整備していくことが、両国の未来にとって不可欠と言えるでしょう。