日本は、中国の軍事力増強という現実を直視し、平和を守るために真の「日米同盟」の構築に向けて、主体的な防衛力強化に取り組むべき時を迎えています。元米国防次官補代理エルブリッジ・コルビー氏は、新著『アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略』(文藝春秋)で、日本が国防に対する意識改革を断行し、米国と真に対等なパートナーとなる必要性を強く訴えています。
真の日米同盟:統合された軍事力の構築
altコルビー氏は、従来の日米安全保障体制では、日本が兵站基地を提供する役割に留まり、有事の際には米軍が主体となって対応するという構図でした。しかし、中国の軍事力増強を背景に、この構図はもはや時代遅れであり、日本がより主体的な役割を担うべきだと主張しています。目指すべきは、「統合された軍事力を持った日本」であり、米軍と自衛隊が一体となって活動できる体制の構築です。
日本の主体性:自衛隊の役割拡大
コルビー氏は、中国による侵攻が現実となった場合、米軍が到着する前に日本の運命は決してしまう可能性を指摘しています。だからこそ、自衛隊が兵站のみならず、戦闘活動においても主導的な役割を果たせるようにする必要があると強調しています。防衛戦略専門家の佐藤一郎氏(仮名)も、「自衛隊の役割拡大は、日本の安全保障にとって不可欠です。同時に、日米間の緊密な連携を強化することで、抑止力を高める効果も期待できます」と述べています。
日本のモデル:冷戦下の西ドイツ
コルビー氏は、冷戦時代の西ドイツをモデルケースとして挙げ、大規模な軍隊を保有し、国防に積極的に取り組んでいた姿勢を高く評価しています。もちろん、日本が西ドイツと同じ道を辿るべきだとは言いませんが、米国と対等な役割を果たし、技術開発や弾薬生産など、あらゆる分野で日米の防衛部門が完全に統合されることが理想的だと述べています。
防衛への意識改革:日本に必要な変化
日本は、平和憲法の精神を尊重しつつ、現実的な安全保障環境の変化に適応していく必要があります。国民一人ひとりが国防に対する意識を高め、政府と一体となって防衛力強化に取り組むことが、日本の平和と繁栄を守る上で不可欠です。