日本の自動車メーカー、特にトヨタ、ホンダ、日産の3社が、中国市場での苦戦を強いられています。2024年第3四半期の決算では、3社揃って減益を発表。その背景には、中国市場におけるEVシフトの遅れと、中国地場メーカーの台頭があります。
中国市場の現状：EVシフトと価格競争の激化
中国は世界最大の自動車市場であり、近年ではEV（電気自動車）への移行が急速に進んでいます。BYDやZeekr、Nioといった中国地場メーカーは、高性能かつ手頃な価格のEVを次々と投入し、市場シェアを拡大。一方、ハイブリッド車に注力してきた日本の自動車メーカーは、この流れに乗り遅れ、苦戦を強いられています。価格競争も激化しており、トヨタは「厳しい市場環境」にあるとコメントしています。
中国EV市場の現状
トヨタ、日産、ホンダ：各社の現状と課題
トヨタは2024年第3四半期の利益が前年同期比で大幅に減少。中国市場での販売不振だけでなく、日本や北米市場での低迷も要因となっています。日産は販売減少を受け、9000人の従業員削減を発表。ホンダも2024年第2四半期の営業利益が15%減少しました。3社とも、中国市場での販売台数の減少が業績に大きな影を落としています。
トヨタの苦戦：中国市場での販売台数10%減
トヨタは、中国市場での販売台数が2024年の最初の9ヶ月間で10%以上減少。広報担当者は、中国市場だけでなく、日本と北米でも低迷しているとコメントしていますが、中国市場における苦戦は深刻です。
ホンダと日産：中国市場での販売不振が業績を圧迫
ホンダは2024年第3四半期に中国での販売台数が減少。日産も2024年度上半期の中国での小売販売台数が5%以上減少しました。これは日産の全地域の中で最も大きな減少幅となっています。
新興国市場での攻防：中国メーカーの躍進
JATOダイナミクスの自動車アナリスト、フェリペ・ムニョス氏は、中国のEVメーカーの多くが海外展開を進めており、これがトヨタやホンダなどに更なる圧力をかけていると指摘しています。特に東南アジアや中南米といった新興国市場では、BYDをはじめとする中国メーカーが急速にシェアを拡大。これまで日本車が強かった東南アジア市場でも、中国車の勢いが増しています。
日本車メーカーの未来：EV戦略の転換と新興国市場への対応
日本車メーカーが中国市場、そして世界市場で生き残るためには、EV戦略の転換が不可欠です。高性能で価格競争力のあるEVの開発・投入、そして新興国市場への積極的な展開が求められます。
伝統的に強いハイブリッド技術を活かしつつ、EVシフトを加速させることが、今後の成長のカギとなるでしょう。自動車産業の専門家、佐藤一郎氏（仮名）は、「日本車メーカーは、品質と信頼性で高い評価を得てきました。この強みを活かし、EV開発に力を入れることで、巻き返しを図ることが可能でしょう」と述べています。
