米国、ウクライナへのロシア領内攻撃容認で緊張激化か? プーチン政権、報復を示唆

ウクライナ紛争の行方が、再び緊迫の度を増しています。米国がウクライナによる米国製兵器を用いたロシア領内への攻撃を容認したとの報道を受け、ロシア側から強い反発が示されています。果たして、この決定は泥沼化する紛争の更なる激化を招くのでしょうか?

ロシア、米国の「無謀な決定」を非難

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、米国の決定を「無謀かつ危険」と断じ、紛争への米国の関与を深めるものだと強く非難しました。報道内容が公式声明に基づいていないことを認めつつも、もし事実であれば、新たな緊張の高まりをもたらすと警告しました。

ペスコフ報道官ペスコフ報道官

プーチン大統領の側近であるウォロジン下院議長も、ウクライナが米国製の長距離ミサイルでロシア領内を攻撃した場合、ロシアはウクライナで新たな兵器システムを使用する可能性があると警告。具体的な内容には言及しませんでしたが、報復措置を示唆しました。

欧州諸国からも懸念の声

ハンガリーのシーヤールトー外相は、NATO加盟国の兵器を使ったロシアへの長距離攻撃をウクライナに容認することは「驚くほど危険」だと述べ、懸念を表明。スロバキアのフィツォ首相も、この決定は戦闘終結と和平交渉への「希望を打ち砕く」ものだと批判しました。

プーチン大統領は以前から、西側諸国がウクライナに供与した長射程兵器でロシアへの攻撃を認めれば、西側諸国はロシアと直接戦うことになると警告を発していました。今回の米国の決定は、この警告を無視するものであり、ロシアの更なる反発は必至とみられます。

北朝鮮問題との関連性

今回の米政権の動きは、北朝鮮によるロシアへの派兵への対応という側面もあると報じられています。ファイナー米大統領副補佐官(国家安全保障担当)は、ロシアが「自国領土での外国軍の展開」によって紛争を激化させていると述べています。北朝鮮の動向がウクライナ紛争に影を落とす構図も、今後の重要な焦点となるでしょう。

ロシア与党「統一ロシア」のブティナ議員は、バイデン米大統領がウクライナに米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することを容認すれば、第3次世界大戦を引き起こすリスクがあるとまで警告しています。

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ウクライナ紛争は、米ロ間の緊張を高める新たな局面を迎えています。今後の展開次第では、国際社会全体を巻き込む大規模な紛争に発展する可能性も否定できません。