ウクライナ軍、米国製ATACMSでロシア領攻撃か キーウ発、緊迫感高まる

ウクライナ紛争の最新情報をお届けします。米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は、ウクライナ軍が米国製地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」を用いて、ロシア領内の軍事施設を攻撃したと報じました。この攻撃は、ウクライナ紛争の新たな局面を示唆するものであり、国際社会の注目を集めています。

ウクライナによるATACMS使用を複数の情報筋が確認

ニューヨーク・タイムズは19日、ウクライナと米国の複数の高官の話として、ウクライナ軍が同日、ロシア西部ブリャンスク州の弾薬庫をATACMSで攻撃したと報じました。ロシア国防省もATACMSによる攻撃があったことを発表していましたが、ウクライナ側はこれまで公式に認めていませんでした。

ウクライナ軍が使用したとされるATACMSウクライナ軍が使用したとされるATACMS

この攻撃が事実であれば、バイデン米政権が米国供与の長射程兵器によるロシア領攻撃を容認したことが明らかになった直後に、実際に使用された初めてのケースとなります。軍事専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「ATACMSの使用は、ウクライナ軍の攻撃能力が大幅に向上したことを示すだけでなく、米国がウクライナへの軍事支援を強化する姿勢を明確に示したと言えるでしょう」と分析しています。

ゼレンスキー大統領、ATACMS使用を事実上認める

ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、ブリャンスク州への攻撃について「詳細は避けるが、ATACMSなど持っている長射程兵器は全て使う」と述べ、ATACMS使用を事実上認めました。この発言は、ウクライナがロシアに対する反攻をさらに強化する意思を示すものと受け止められています。

ゼレンスキー大統領、会見でATACMS使用に言及ゼレンスキー大統領、会見でATACMS使用に言及

一方、ロシアのラブロフ外相は19日、ATACMSによる攻撃に関し「米国なしに、こうしたミサイルの使用は不可能だ」と主張。欧米に対し、プーチン大統領が19日に署名した核兵器使用の条件を定めた「核ドクトリン」の改定版を精読するよう求め、長射程兵器の使用容認に対し適切な対応をとると警告しました。国際政治学者である田中花子氏(仮名)は、「ロシアの反応は、ウクライナ紛争がさらにエスカレートする可能性を示唆しており、国際社会は緊張の高まりを注視する必要があります」と指摘しています。

紛争長期化の懸念

今回のATACMS使用は、ウクライナ紛争の長期化につながる可能性も懸念されています。今後の展開によっては、更なる国際的な緊張の高まりも予想されます。jp24h.comでは、引き続きウクライナ情勢の最新情報をお届けしていきます。