ドイツ首相「ウクライナ迅速和平は停戦より価値」、米国主導の3者会談を提言

ドイツのメルツ首相は、ロシアとウクライナ間の迅速な和平合意は「停戦よりも価値がある」との見解を示し、この紛争を解決するための新たな外交的アプローチを提唱しました。首相は、米国が主導する形で、ロシアとウクライナの指導者を交えた早期の三者会談の必要性を強調しています。この提言は、ウクライナ情勢の長期化が懸念される中で、国際社会における平和実現への期待を高めるものとして注目されています。

迅速な和平合意へ向けた3者会談の提唱

メルツ首相は独公共放送ZDFのインタビューで、米国のトランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と会談した後、ロシアのプーチン大統領を交えた3者会談を「できるだけ早く」開催すべきだと述べました。首相は、外交努力がさらに進展しないまま数週間続く可能性のある停戦よりも、具体的な和平合意の価値が高いと強調しています。

合意形成への道筋として、トランプ大統領とプーチン大統領の間で、ウクライナや欧州を除外した領土交渉が行われていないことは「朗報だ」との認識を示しました。これは、将来的な和平交渉において、当事国と欧州の利益が無視されないことを示唆しています。

ドイツのメルツ首相が記者会見でウクライナ和平に関する見解を述べる様子ドイツのメルツ首相が記者会見でウクライナ和平に関する見解を述べる様子

欧州の役割と米国による「決定的な」影響力

メルツ首相は、18日に予定されているトランプ氏とゼレンスキー氏との会談において、欧州も重要な役割を果たすと述べました。実際、ホワイトハウスは複数の欧州首脳がこの会談に招待されていることを明らかにしています。これは、ウクライナ情勢が欧州全体の安全保障に直結する問題であり、その解決には欧州の積極的な関与が不可欠であるという認識に基づいています。

首相は、当面はトランプ大統領がウクライナ情勢で「決定的な役割」を担うとの見方を示しました。その理由として、「米大統領は軍事力や適切な制裁、関税によってロシアに今以上の行動を取らせる力を持っている」ことを挙げ、米国の国際的な影響力が和平プロセスにおいて極めて重要であることを強調しています。

ウクライナ安全保障への米国の関与を歓迎

さらにメルツ首相は、米国がウクライナの安全保障への保証に参加する用意があることを強く歓迎しました。「今、ウクライナの安全保障の保証が議題に上っている。米国がその保証に参加し、欧州に任せきりにしないのは朗報だ」と述べ、ウクライナの将来的な安全を確保する上で、米国のコミットメントが不可欠であるとの認識を示しました。これは、欧州単独ではウクライナの安全保障を完全に担保することが困難であるという現状認識と、国際的な連帯の重要性を浮き彫りにしています。

結論

ドイツのメルツ首相による「迅速な和平合意は停戦より価値がある」との主張と、米国主導の3者会談の提言は、ウクライナ紛争の解決に向けた新たな動きとして注目されます。米国の「決定的な役割」への期待と、ウクライナの安全保障への米国の関与を歓迎する姿勢は、国際外交における米欧連携の重要性を改めて示しています。今後の各国の外交努力が、この紛争の平和的解決にどう繋がるか、国際社会の動向が注視されます。

参照元

CNN via Yahoo! News