米国への留学生数で、インド人が中国人を上回り、2009年以来初めてトップに躍り出ました。この変化は、世界の人口動態の変化や、米中関係の緊張、そしてアメリカンドリームへの意識の変化など、複雑な要因が絡み合っています。本記事では、この変化の背景にある事情を詳しく解説します。
米国留学の勢力図に変化
長年、米国への留学生数でトップを維持してきた中国。しかし、最新の統計によると、その座をインドに明け渡すこととなりました。米国務省と国際教育機関の発表によると、2023年度の米国高等教育機関への留学生数で、インド人が中国人を上回り最多となったのです。留学生全体に占める割合は、中国が約25%、インドが29%となっています。
米国の大学に在籍する留学生数、インド人が中国人を抜いてトップに
中国人留学生減少の理由
専門家によると、中国人留学生の減少は、様々な要因が重なっていると考えられています。例えば、米中関係の悪化によるビザ取得の難化や、中国国内での教育水準の向上などが挙げられます。さらに、治安の悪化や人種差別への懸念も、留学生とその家族の不安を煽っているようです。香港大学のマリー・プライサーチ氏によると、トランプ政権以降の米中対立やコロナ禍におけるアジア人へのヘイトクライムの増加が、アメリカンドリームへの幻滅に繋がっているという調査結果も出ています。
インド人留学生増加の背景
一方、インドは人口増加が著しく、昨年には中国を抜いて世界最多の人口となりました。特に25歳未満の人口が全体の40%以上を占めており、高等教育への需要が高まっていることが、米国留学増加の大きな要因となっています。2023年度のインド人留学生数は33万1600人を超え、その勢いは留まることを知りません。
アメリカンドリームの変遷
かつて、中国では「アメリカに留学すれば、良い仕事に就いて良い人生を送れる」という考え方が一般的でした。しかし、米中関係の悪化や社会情勢の変化により、アメリカンドリームへの憧れは薄れつつあります。プライサーチ氏の調査では、かつて米国留学を推奨していた中国の親や教師でさえ、今では躊躇するケースが増えていることが明らかになりました。
世界の教育情勢の変化
米国への留学生数の変化は、単なる一国の出来事ではなく、世界的な教育情勢の変化を反映しています。新興国の経済成長や教育水準の向上、そして国際情勢の変化が、留学生の流動に大きな影響を与えているのです。今後の動向に注目が集まります。
まとめ
米国留学におけるインド人の躍進と中国人の減少は、世界の人口動態、米中関係、そしてアメリカンドリームへの意識の変化など、様々な要因が複雑に絡み合った結果です。この変化は、世界の教育情勢の大きな転換点を示唆しているのかもしれません。ぜひ、皆さんのご意見や感想をお聞かせください。また、jp24h.comでは、世界の最新ニュースや様々な情報を発信しています。他の記事もぜひご覧ください。