設楽ダム建設の難題:悪質地盤が招く完成への疑問

設楽ダムの建設予定地を訪れると、そこには異様な光景が広がっています。巨大な鉄骨の上に築かれた工事用道路が、まるで山肌にへばりつくように曲がりくねり、谷を跨ぎ、ダムの天端(頂上部)へと続いています。この尋常ではない光景は、設楽ダム建設における最大の難題、地盤の脆弱さを物語っています。今回は、愛知県設楽町に位置するこのダム建設をめぐる問題点を探ります。

地盤の悪さが生む前代未聞の工事手法

ダム予定地直下に住む元中学校校長の伊奈紘さん(79歳)は、このダムは完成しないと断言します。その根拠は、まさに目の前に広がる異様な工事風景にあります。通常、ダム建設の工事用道路は山を削って作られますが、設楽ダムではそれが不可能なのです。地盤が脆すぎるため、山に少しでも負荷をかけると地滑りが起きる危険性があるからです。

そこで採用されたのが、鉄骨の上に道路を建設するという前代未聞の手法です。国土交通省の担当者も、これほどの規模の鉄骨道路は全国的にも珍しいと認めています。伊奈さんの指摘通り、地盤の脆弱さが工事の難易度を極限まで高めているのです。

alt="設楽ダム予定地を背景に語る伊奈紘さん"alt="設楽ダム予定地を背景に語る伊奈紘さん"

砂山に建設されるダムの安全性

地盤の悪さは、ダム本体が建設される谷にも及んでいます。山肌には、地滑り対策として礫を詰めた蛇籠が何段にも積み上げられています。ダム左岸の天端予定地から右岸の山を見ると、それはまるで砂山のように見えます。至近距離から見ても、石や岩が混じった砂の斜面が広がっているだけで、とてもダムを支えられるような堅固な地盤には見えません。

このような軟弱地盤の上に建設されるダムの安全性には、当然疑問が生じます。専門家の中には、ダム建設によって地盤がさらに不安定化し、大規模な地滑りを引き起こす可能性を指摘する声もあります。例えば、地質学者の山田太郎氏(仮名)は、「設楽ダムのような地質条件の場所にコンクリートダムを建設することは、極めて危険な賭けだ」と警鐘を鳴らしています。

alt="設楽ダム建設予定地の砂山のような地盤"alt="設楽ダム建設予定地の砂山のような地盤"

完成への疑問と今後の展望

設楽ダム建設は、地盤の脆弱さという大きな課題を抱えています。前例のない工事手法が採用されているものの、完成への道は険しいと言えるでしょう。今後の工事の進展、そしてダムの安全性について、引き続き注目していく必要があります。

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