COP29:中国の気候変動対策への資金拠出、途上国支援の行方は?

気候変動対策の国際舞台で、中国の役割が改めて問われています。アゼルバイジャンで開催されたCOP29では、途上国への気候変動対策支援のための資金拠出をめぐり、中国の動向に注目が集まりました。世界第2位の経済大国でありながら「途上国」としての立場を堅持する中国は、資金拠出においてどのような役割を果たすべきなのでしょうか。本記事では、COP29における中国の姿勢と、今後の気候変動対策への影響について解説します。

中国の主張:先進国に1兆ドル規模の拠出要求

COP29の全体会合で、中国代表団は議長国アゼルバイジャンが提示した成果文書の草案に反発しました。草案には気候資金の拠出額が明示されていなかったことが理由で、中国は2030年までに先進国に年間1兆ドル(約154兆円)規模の拠出を求める途上国側の立場を改めて強調しました。

COP29会場の様子COP29会場の様子

1992年の条約採択当時は、中国が途上国として扱われることに異論はありませんでした。しかし、その後の目覚ましい経済成長により、2006年頃には温室効果ガスの排出量が世界最大となりました。この現状を受け、先進国からは気候資金の「応分の負担」を求める声が強まっています。

中国の反論:「南南協力」による240億ドルの拠出を表明

こうした先進国からの圧力に対し、中国はCOP29に合わせて、途上国間での「南南協力」などの枠組みを通じて、2016年以降に約240億ドルの気候資金を拠出したと表明しました。中国が近年の拠出額の全容を公開するのは初めてであり、先進国側の圧力をかわす狙いがあると見られています。

専門家の見解:中国のリーダーシップに期待

国際NPOの世界資源研究所で中国の財政・金融分野を担当する劉爽氏は、「中国は重要な資金提供国であり、他の途上国を支援する能力がある」と指摘しています。また、気候変動を「でっち上げ」と主張するトランプ次期大統領の就任により、米国の取り組みが後退すると予想される中、「中国は気候対策でリーダーシップを発揮する意欲と能力を持っている」と期待を示しました。(※架空の専門家による見解)

今後の気候変動対策における中国の役割

中国の経済成長と温室効果ガス排出量の増加は、気候変動対策における中国の役割の重要性を浮き彫りにしています。COP29での中国の主張と行動は、今後の国際的な気候変動対策の行方に大きな影響を与える可能性があります。中国が「途上国」としての立場を維持しながらも、経済大国としての責任を果たしていくことができるのか、今後の動向が注目されます。

中国の気候変動対策への取り組みは、地球全体の未来にとって重要な鍵となるでしょう。