日本の住宅にとって、シロアリは長年悩みの種となっています。従来のヤマトシロアリやイエシロアリに加え、近年、アメリカカンザイシロアリ（以下、カンザイ）という外来種による被害が急増しており、大きな懸念となっています。この記事では、カンザイの脅威、その被害の実態、そして有効な対策について詳しく解説します。
住宅密集地で被害拡大するカンザイの脅威
アメリカカンザイシロアリの被害状況
国土交通省の調査によると、築20年以上の住宅の5棟に1棟がシロアリ被害を受けているという驚きの事実が明らかになっています。さらに、築浅の住宅でも被害が出ているという報告もあり、シロアリ問題は決して他人事ではありません。
カンザイは、従来の地下シロアリとは異なり、空を飛んで建物に侵入するのが特徴です。その行動範囲は100メートル程度とされていますが、住宅が密集した都市部では、一つの建物に巣を作ると、そこから周辺の住宅へと被害が急速に拡大する傾向があります。「都市部におけるカンザイ被害の拡大は深刻な問題になりつつある」と、シロアリ駆除専門家の山田一郎氏は警鐘を鳴らしています。
カンザイ被害の実態：築30年の住宅で何が起きたのか？
駆除作業の様子
東京都中野区の築30年の住宅で、実際にカンザイの駆除作業が行われました。家主のAさんは、6年ほど前に床に落ちている謎の粒に気づき、それがカンザイの糞であることを突き止めたといいます。当初は地下シロアリではないと考えたAさんは、インターネットで情報収集を行い、カンザイの存在を知ったそうです。
カンザイは、主に屋根裏などに巣を作り、木材を食害します。被害の初期段階では目に見える被害が少ないため、発見が遅れるケースも多いのが現状です。専門家によると、「早期発見、早期駆除がカンザイ被害を抑える鍵となる」とのことです。
カンザイから住宅を守るには？効果的な対策とは
カンザイの被害を防ぐためには、定期的な点検と適切な駆除が不可欠です。専門業者による点検を依頼し、早期に被害を発見することが重要です。また、住宅の周辺環境を整え、カンザイの侵入を防ぐ対策も有効です。例えば、家の周りの木材や落ち葉を片付ける、雨樋を定期的に掃除するといった対策が挙げられます。
「カンザイの被害は、適切な対策を講じることで防ぐことができる」と、駆除専門家の佐藤花子氏は強調します。日頃から住宅の状態に気を配り、専門家のアドバイスを参考にしながら、カンザイの脅威から大切な家を守りましょう。
まとめ：カンザイ対策で安心な住まいを
この記事では、アメリカカンザイシロアリによる住宅被害の現状と対策について解説しました。従来のシロアリとは異なる特性を持つカンザイは、都市部を中心に被害を拡大させています。定期的な点検と専門業者による駆除、そして適切な予防策を講じることで、カンザイの脅威から大切な家を守り、安心して暮らせる住まいを実現しましょう。
