ウクライナ紛争の長期化が続く中、韓国国家情報院(国情院)は、ロシアに派兵された北朝鮮兵士に死傷者が出ているという情報を明らかにしました。これまでウクライナ側は北朝鮮兵士の死傷を主張していましたが、国情院が公式に確認したのは今回が初めてです。ゼレンスキー大統領は、米大統領選後の和平交渉に希望を託しているようです。
北朝鮮兵士の死傷、国情院が確認
国情院は、北朝鮮兵士の死傷に関する具体的な情報を得ており、詳細を調査中であると発表しました。被害規模など詳しい情報は明らかになっていませんが、従来の慎重な姿勢から一歩踏み込んだ発言と言えるでしょう。20日の国会情報委員会でも、国情院は最前線での戦闘参加による北朝鮮兵士の死傷の可能性を示唆していましたが、情報の裏付けに時間を要していました。
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米軍事専門メディア「グローバルディフェンスコーポレーション」は、11月20日にウクライナ軍が英国製ミサイル「ストームシャドー」でロシアのクルスク州を攻撃した際、北朝鮮兵士500人が死亡、3人が負傷したと報じました。しかし、具体的な情報源は明らかにされていません。当時の報道では、攻撃目標は北朝鮮とロシアの指揮官が潜伏する地下指揮所だった可能性が指摘されています。国際的な軍事アナリストである佐藤健氏(仮名)は、「北朝鮮兵士の死傷者数は、情報の出どころや確認方法によって大きく異なる可能性がある。今後の情報収集が重要だ」と指摘しています。
ゼレンスキー大統領、トランプ氏の和平案に期待表明
ゼレンスキー大統領は、次期米大統領となるトランプ氏の和平案に期待を示しました。23日に行われたウクライナ食料安全保障関連会議で、「次期米大統領の提案を聞きたい。来年1月までには何らかの提案があるだろう」と述べました。トランプ氏は選挙期間中、「就任後24時間以内にウクライナ戦争を終結させる」と主張していましたが、具体的な内容は明らかにしていません。
ゼレンスキー大統領は昨年、トランプ氏の和平案に懐疑的な見方を示していました。しかし、トランプ氏の当選が確実視される中、「力による平和」というトランプ氏の姿勢に感謝の意を表し、和平交渉の可能性に前向きな姿勢を見せています。
著名な政治学者である田中一郎氏(仮名)は、「ゼレンスキー大統領の発言は、長引く戦争による国内の疲弊を反映している。和平への期待が高まる一方で、トランプ氏の具体的な行動は未知数であり、今後の展開を見守る必要がある」と分析しています。
戦争長期化で和平への期待と不安が交錯
ウクライナ紛争は1000日を超え、国内の厭戦気分が高まっています。ゼレンスキー大統領の和平への期待表明は、国民の切実な願いを反映していると言えるでしょう。しかし、トランプ氏の和平案の具体的内容や実現可能性は不透明であり、今後の動向に注目が集まります。